“行処”のいろいろな読み方と例文
旧字:行處
読み方割合
ゆきどころ62.5%
ゆきどこ18.8%
ありか6.3%
いくところ6.3%
ゆくところ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのまるい帽子の影はやが木隠こがくれて見えなくなつたが、ミハイロは背後うしろで手を組むで、まだ立つてゐる。何処へ行処ゆきどころもない。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
行処ゆきどこもございません、仕様が無いんでございますから、先生さえ、お見免みのがし下さいますれば、わたくしの外聞や、そんな事は。世間体なんぞ。」となかば云ってが乾く。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なるほど、もっともの話だが、高村さんが君になくなさないようにといった意味は、行処ありかが分らなくなることを恐れたためだろう。
別に帰って行処いくところってないわけなんですから何時までもいるんでしょうね。
童話 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
これが出来上った時、しかも玉虫色の皆絹裏かいきうらがサヤサヤと四辺あたりを払って、と、出立いでたった処は出来でかしたが、懐中むなしゅうして行処ゆくところがない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)