“ありか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アリカ
語句割合
在所48.4%
所在22.6%
在処17.2%
在家4.5%
有処1.4%
住所0.9%
所在地0.9%
有家0.9%
有所0.9%
位置0.5%
在處0.5%
存在0.5%
滞在地0.5%
行処0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここしばらくは、奥様に、在所ありかが知れぬといふておく。確かに己れが預つて、滅多な事はささぬから、思案を仕替えて見るがよい。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
一昨年初めて参詣した時には、墓の所在ありかが知れないので寺僧に頼んで案内してもらった。彼は品の好い若僧にゃくそうで、色々詳しく話してくれた。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで貞盛為憲等の在処ありかを申せと責めたが、貞盛為憲等は此等の藤原氏どもに捕へられるほど間抜まぬけでも弱虫でも無かつた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「その危険もあるし、ほかに私が考えていることがあるの。とにかく、あなたあの女の在家ありかを突き止めてくれない?」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
この山中には五つ葉のうつありて、その下に黄金を埋めてありとて、今もそのうつぎの有処ありかを求めあるく者稀々にあり。この長者は昔の金山師なりしならんか、このあたりには鉄を吹きたるかすあり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
平次も呆気あっけにとられました。せっかくお楽の口から兇賊の住所ありかを聞出そうとしている矢先に、こんなのに飛込まれては、全くやり切れません。
いいかね東風君、二三歩出たがまた引き返して、国を出るとき三円二十銭で買った赤毛布あかげっとを頭からかぶってね、ふっとランプを消すと君真暗闇まっくらやみになって今度は草履ぞうり所在地ありかが判然しなくなった
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とぢぎり一言も發せず居るゆゑ平左衞門はかねてお島に心あるにより又々押止おしとゞ先々まづ/\御待ち成さるべし手引はかれが致せしにもせよぬすみ出せしは伴建部の兩人なれば此者どもの有家ありかさへ知るれば藤五郎殿御兄弟の行衞ゆくゑも知れ候は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どこへ隠れようと有所ありかを探し喰い殺さねば置かぬ獣じゃ! お前さん本当に見たというなら須原の宿には置かれない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あとでまたわたしを越えなければならない路ですがね、橋から見ると山の位置ありかは月のる方へ傾いて、かえって此処ここから言うと、対岸むこうぎし行留ゆきどまりの雲の上らしく見えますから
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見せられし故同道どうだう致さんと存ぜしにつれの女の在處ありかだ知れぬにより尋ね出し同伴どうはんの上まゐると申され右等みぎらの話にて甚だ手間取亥の刻近き頃たどり參りし處辨天堂の前にてつまづきたれども刻限こくげんは延引致し氣はせくにより死人共心付こゝろづかず其儘歸宅いたし翌朝相良へ御召捕めしとりに相成し事は此程申上し通りに候と申せば大岡殿シテ其武士さぶらひの連の女の在所ありか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくしはあのたきおとをききながら、いつもそのおとなかけこむような気分きぶんで、自分じぶん存在ありかわすれて、うっとりとしていることがおおいのでございました。
その時始めて、お種は夫の滞在地ありかを知った。支那へ、とばかり思っていた夫はさ程遠くは行っていなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なるほど、もっともの話だが、高村さんが君になくなさないようにといった意味は、行処ありかが分らなくなることを恐れたためだろう。