“心付”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こゝろづ26.7%
こころづ26.7%
こころづき10.0%
こころづけ6.7%
こゝろつ3.3%
こゝろづか3.3%
こゝろづき3.3%
こころつ3.3%
こころづい3.3%
こゝろつけ3.3%
こゝろづい3.3%
こゝろづけ3.3%
こヽろづき3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗助そうすけはもうすこ一所いつしよあるいて、屏風びやうぶこときたかつたが、わざ/\まはみちをするのもへんだと心付こゝろづいて、それなりわかれた。わかれるとき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はたと、これに空想の前途ゆくてさえぎられて、驚いて心付こころづくと、赤楝蛇やまかがしのあとを過ぎて、はたを織る婦人おんな小家こいえも通り越していたのであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はい、それに実は何でござります、……大分年数もちました事ゆえ、一時ひととき半時では、誰方もお心付こころづき憂慮きづかいはござりませんが。……貴女には、何をおかくし申しましょう。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もちろん大名の名は出さず、非公式に呼ばれるのだが、失礼のないようにと、側近の人に注意されると、心付こころづけの出しかたなどですぐにそれとわかった。
榎物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
此時このときにふと心付こゝろつくと、何者なにものわたくしうしろにこそ/\と尾行びかうして樣子やうす、オヤへんだと振返ふりかへる、途端とたんそのかげまろぶがごとわたくし足許あしもとはしつた。
設けしよなと思はれけれども態と心付こゝろづかれざるていにて成程罪はのこらず其身に引受度と申事奇特きどくの申條なれども主税之助が科は最早のがるべき道なし依て主人しゆじんの儀なりとも今更いまさらつゝみ隱すは却て未練みれんの至りなり有體ありていに白状して罪にふくすべしと有に平左衞門心中しんちうにしめたりと思ひおほせの如く主人の惡事あくじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
忘れしが此方こちらの旦那が歸られたるあとにて心付こゝろづきるに其の金子何れへ紛失ふんじつせしにや一向分らず因て嚴重げんぢうに家内を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども午過ひるすぎには日の光があたたかく、私は乳母や母上と共に縁側の日向ひなたに出て見た時、狐捜きつねさがしの大騒ぎのあった時分とは、庭の様子が別世界のように変って居るのをば、不思議な程に心付こころついた。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
毎度馬をこころみて、向島を廻って上野の方にかえって来るとき、何でも土手のような処を通りながら、アヽ彼処あれが吉原かと心付こころづいて、ソレではこのまゝ馬にのって吉原見物をようじゃないかと云出いいだしたら
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
八右衞門に申付る又名主儀は日頃ひごろ行屆ゆきとゞかざる故家主の善惡もわきまへざる段不束ふつゝかなり以來屹度きつと心付こゝろつけ候樣致すべき旨申渡され一件落着とぞなりける是先に一旦彦兵衞獄門ごくもんと成りしは大岡殿申されし通り獄中にて病死の者の首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二人ふたりはいつ迄つても、二人ふたりとしてはなれてゐなければならない運命をつてゐるんだと、始めから心付こゝろづいてゐるから、議論は能い加減に引きげて、三千代みちよ仲間なかま入りの出来る様な
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なし又は下帶したおび鼻紙等迄はなかみとうまで心付こゝろづけを丈夫に持給もちたまへ大方物の間違ならんによりやがて清き身體になるべしと力を付などするうち彦兵衞は奉行所へこそ引れけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おとしなさるな、とびもならず、にはかに心付こヽろづき四邊あたりれば、はなかぜれをわらふか、人目ひとめはなけれど何處どこまでもおそろしく、庭掃除にはそうぢそこそこにたヾひとはじとはか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)