心付こゝろづか)” の例文
設けしよなと思はれけれども態と心付こゝろづかれざるていにて成程罪はのこらず其身に引受度と申事奇特きどくの申條なれども主税之助が科は最早のがるべき道なし依て主人しゆじんの儀なりとも今更いまさらつゝみ隱すは却て未練みれんの至りなり有體ありていに白状して罪にふくすべしと有に平左衞門心中しんちうにしめたりと思ひおほせの如く主人の惡事あくじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見せられし故同道どうだう致さんと存ぜしにつれの女の在處ありかだ知れぬにより尋ね出し同伴どうはんの上まゐると申され右等みぎらの話にて甚だ手間取亥の刻近き頃たどり參りし處辨天堂の前にてつまづきたれども刻限こくげんは延引致し氣はせくにより死人共心付こゝろづかず其儘歸宅いたし翌朝相良へ御召捕めしとりに相成し事は此程申上し通りに候と申せば大岡殿シテ其武士さぶらひの連の女の在所ありか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)