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こゝろづい
二人はいつ迄
立つても、
二人として
離れてゐなければならない運命を
有つてゐるんだと、始めから
心付てゐるから、議論は能い加減に引き
上げて、
三千代の
仲間入りの出来る様な
如夜叉と思ひ込し
最物堅き長三郎も
流石木竹に非れば此時
初て
戀風の
襟元よりして
慄と
染み娘も見たる其人は本町
業平俳優息子と
綽名の有は知らざれど
比ひ
稀なる美男なれば是さへ茲に
戀染めて斯いふ男が又有らうか
斯いふ女が又有らうかと
互に
恍惚茫然と
霎時言葉もあらざりしが
稍々にして
兩個が
心附ては
羞は