“赤毛布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あかげっと50.0%
あかゲット20.0%
あかけっと6.7%
あかげつと6.7%
あかけつと3.3%
あかげっとう3.3%
あかもうふ3.3%
あかゲツト3.3%
おのぼりさん3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分も一足おくれて、小僧と赤毛布あかげっとの尻を追っけて出た。みんな大急ぎに急ぐ。こう云う道中にはれ切ったものばかりと見える。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤毛布あかゲット上花客じょうとくいでなくなった。現代式とか文化的とかいう言葉を理解する新東京人……半田舎者を相手にしていることがわかるであろう。
雪童子は眼を丘のふもとに落しました。その山裾の細い雪みちを、さっきの赤毛布あかけっとを着た子供が、一しんに山のうちの方へ急いでいるのでした。
水仙月の四日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ギックリやりますし、その方は蝦蟇口がまぐちを口に、忍術の一巻ですって、蹴込けこみしゃがんで、頭までかくした赤毛布あかげつとを段々に、仁木弾正にっきだんじよう糶上せりあがった処を
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さうして少年せうねんのやぶれたこヽろはつくのはれたけれど、舞台ぶたいのうへで姫君ひめぎみのきられたといふことはわすれられない記臆きおくであつた。また赤毛布あかけつとうらをば、んだ姫君ひめぎみあるいたのも、不可思儀ふかしぎ発見はつけんであつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
「——そこが、赤毛布あかげっとうの悲しさ、ですよ。あなたがただって、人知れず、似たようなことやって来たんじゃないんですか」
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
専六は元秀の如き良師を得たが、うらむらくは心、医となることを欲せなかった。弘前の人はつねに、円頂えんちょうの専六が筒袖つつそで短袴たんこ穿き、赤毛布あかもうふまとって銃を負い、山野を跋渉ばっしょうするのを見た。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
意地の悪い兄は塩梅あんばいに、丸佐へ出かけた留守でございます。わたしは泣いたのも忘れたやうに、早速人力車に飛び乗りました。赤毛布あかゲツトを膝掛けにした、輪のがらがらと鳴る人力車に。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
よく「群玉舎」と太文字でしたためた番傘さして、宿屋のどてら着た赤毛布おのぼりさんたちが上野駅附近をうろ/\してゐた。その人々の故郷への土産の丸の内見物なのである。
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)