“破毛布”の読み方と例文
読み方割合
やぶれげっと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何しに来たこの女、何を泣いたこの女、なぜ泣かせたこの女、椎と青紫蘇の葉に懲りて、破毛布やぶれげっと辟易へきえきしたろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
破毛布やぶれげっとまとったり、頬被ほおかぶりで顔を隠したり、中には汚れた洋服を着たのなどがあった、四五人と道連みちづれになって、笑いさざめき興ずるていで、高岡を指して峠を下りたとのことである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にごり屋の軒下へ車を預けて、苜蓿うまごやしのしとったような破毛布やぶれげっとを、後生大事に抱えながらのそのそと入り込んで、鬼門から顔を出して、若親方、ちとお手伝い申しましょうかね……とね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)