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蹴込
そしていきなりそこに待ち合わしていた人力車の上の
膝掛けをはぐって、
蹴込みに打ち付けてある鑑札にしっかり目を通しておいて
何故、
様を
見ろ、
可気味だ、と
高笑ひをして
嘲弄しない。
俺が
手で
棄てたは
棄てたが、
船へ
彫像を
投げたのは、
貴様が
蹴込んだも
同然だい。
御車は無紋の黒塗、
海老染模様の
厚毛布を掛けて、
蹴込には
緋の毛皮を敷き、五人の車夫は大縫紋の
半被を着まして、前後に
随いました。
青山へ
来て見ると、玄関に
車が二台程あつた。
供待の車夫は
蹴込に
倚り
掛つて眠つた儘、代助の通り過ぎるのを知らなかつた。