“蹴込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けこ59.4%
けこみ40.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしていきなりそこに待ち合わしていた人力車の上の膝掛ひざかけをはぐって、蹴込けこみに打ち付けてある鑑札にしっかり目を通しておいて
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何故なぜざまろ、可気味いゝきみだ、と高笑たかわらひをして嘲弄てうろうしない。おれてたはてたが、ふね彫像てうざうげたのは、貴様きさま蹴込けこんだも同然どうぜんだい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御車は無紋の黒塗、海老染えびぞめ模様の厚毛布あつげっとを掛けて、蹴込けこみにはの毛皮を敷き、五人の車夫は大縫紋の半被はっぴを着まして、前後にしたがいました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
青山へて見ると、玄関にくるまが二台程あつた。供待ともまちの車夫は蹴込けこみかゝつて眠つた儘、代助の通り過ぎるのを知らなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)