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在処
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ありか
ふりがな文庫
“
在処
(
ありか
)” の例文
旧字:
在處
「明朝までに御墨付が返らなければ、生きてお前に逢うのもこれ限りだ、——その娘とやらを拷問にかけても、御墨付の
在処
(
ありか
)
を
訊
(
ただ
)
してくれ」
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで貞盛為憲等の
在処
(
ありか
)
を申せと責めたが、貞盛為憲等は此等の藤原氏どもに捕へられるほど
間抜
(
まぬけ
)
でも弱虫でも無かつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ある時は二人の
在処
(
ありか
)
を突留めようと思ったり、ある時は自分の
年甲斐
(
としがい
)
も無いことを笑ったり、ある時は美しく
節操
(
みさお
)
の無い女の心を卑しんだりして
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「じゃいよいよ大旦那様はここにお出でなされましたに違いねえ。さあそれじゃ一刻も早くお
在処
(
ありか
)
を探し出して……」
月世界競争探検
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
馬に水をくれなかったのでその馬が死んだ。それで自分も死して鳥となり、空高く上って常に水の
在処
(
ありか
)
を探している。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
その
背後
(
うしろ
)
に
大喇叭
(
おおラッパ
)
を
束
(
たば
)
にして、天に向けたような聴音器が据えつけられていたのだった。夜に入ると、この聴音器だけが、飛行機の
在処
(
ありか
)
を云いあてた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また一柳かい。いや、それにしても
可羨
(
うらやま
)
しいな。魂を入かえたいくらいなもんだ。——もっとも、魂はどこへ飛んだか、当分
解
(
わか
)
らないから、第一その
在処
(
ありか
)
を
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此の島に漂い着いたというのは……それのみか海賊の口から
敵
(
かたき
)
の
在処
(
ありか
)
の知れしは是ぞ神の助けであろう、あゝ無分別な事をしては第一神様に対しても相済まぬ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五位の入道 それから刀を引き抜くと、講師の胸さきへつきつけながら、阿弥陀仏の
在処
(
ありか
)
を責め問うたよ。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それからは決してお
在処
(
ありか
)
をお知らせしますまいと警戒をいたしておりましたのに、どういたしましたことか
今年
(
ことし
)
の二月ごろからおたよりがまいるようになりました。
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この鼠のやり方筒井順慶流儀で余り面白くないが、とにかく人に必要な食物の
在処
(
ありか
)
を教えた功はある。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
新聞で無電小僧の仕業と書き立てたでしょう。そこで無電小僧が怒って、古田の宅へ侵入して彼を縛りつけて探したけれども、ちょっと原稿の
在処
(
ありか
)
が分からなかったのです。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
しかし二人とも同じようにめくらですから、スケヤクロウの手の
在処
(
ありか
)
が容易に分りません。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
さうして彼は考へた——あの騒々しい水音は、きつと、この杖のさせた声であらう。杖はさうすることに依つて、それを捜し求めて居る彼に、杖自身の
在処
(
ありか
)
を告げたのであらうと。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「それは気の毒なことをした。私は鶴子に金剛石の
在処
(
ありか
)
なんかいってはいないんです」
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
が、此場合瀕死の重傷者に、鍵の
在処
(
ありか
)
を尋ねるなどは、余りに心ないことだった。信一郎は、満身の力を振って、
捻
(
ね
)
じ開けた。金物に付いて、革がベリ/\と、二三寸引き裂かれた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
どの石の
在処
(
ありか
)
も彼にとっては何かの意味となった。彼はその在処を皆知っていた。
轍
(
わだち
)
の跡の
凹凸
(
おうとつ
)
も、彼にとっては地理的の大変化であって、タウヌス連山などとほとんど匹敵するものだった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「お嬢さん、はい、仰有って下さりませ。この
印籠
(
いんろう
)
の
主
(
ぬし
)
の
在処
(
ありか
)
を」
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
月の
在処
(
ありか
)
だけが
茫
(
ぼ
)
んやり分る。……
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
月のごと大きなる、その
在処
(
ありか
)
を。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
わたしの大事な
貴
(
たふと
)
い声の
在処
(
ありか
)
を。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
平次の竹刀は続けざまに娘の背に鳴りましたが、娘は身もだえして苦しみながら、どうしても
在処
(
ありか
)
を言おうとはしません。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鳥どもは多く巣をその梢に托していると見えて、そちこちに嬉しそうに
家普請
(
やぶしん
)
の歌の声が聞えるが、物にまぎれてその
在処
(
ありか
)
がよくはわからなかった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「一般警報だというが、敵機の
在処
(
ありか
)
や、台数など、
莫迦
(
ばか
)
に
詳
(
くわ
)
しすぎるじゃないか。民衆には、敵機襲来すべしとだけアナウンスする方が、無難ではないかしら」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実は彼をその場で押さえて、原稿の
在処
(
ありか
)
をいわせるつもりでしたが、紅茶に酔わされて駄目。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
『国史補』に唐の
斐旻
(
はいびん
)
一日に虎三十一を
斃
(
たお
)
し自慢しいると、父老がいうにはこれは皆彪だ、将軍真の虎に遇えば能く為すなからんと言ったので、真の虎の
在処
(
ありか
)
を聞き往って見ると
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
傘を
搾
(
すぼ
)
めながら一寸会釈して、寺の
在処
(
ありか
)
を尋ねた晩成先生の頭上から、じた/\水の垂れる傘のさきまでを見た婆さんは、それでも此辺には見慣れぬ金
釦
(
ボタン
)
の黒い洋服に尊敬を
表
(
あらわ
)
して
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、そこに滞在して、
敵
(
かたき
)
の
在処
(
ありか
)
を
探
(
さぐ
)
る内に、家中の
侍
(
さむらい
)
の家へ
出入
(
でいり
)
する女の
針立
(
はりたて
)
の世間話から、兵衛は一度広島へ来て
後
(
のち
)
、妹壻の知るべがある
予州
(
よしゅう
)
松山
(
まつやま
)
へ密々に旅立ったと云う事がわかった。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
床几
(
しょうぎ
)
の
在処
(
ありか
)
も狭いから、今注いだので、
引傾
(
ひっかたむ
)
いた、湯沸の口を吹出す湯気は、むらむらと、法師の胸に
靡
(
なび
)
いたが、それさえ
颯
(
さっ
)
と涼しい風で、冷い霧のかかるような、
法衣
(
ころも
)
の袖は葭簀を擦って
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それが、こうして見ると、ほんのちょっとした場所を占めているだけなので、その
在処
(
ありか
)
を見つけるまでには、とんだ遠方を眺めたり、右や左を見たりして、みんなで相当長い間捜したのだった。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
日の
在処
(
ありか
)
を
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
三日と請合った日は今日限りとなりましたが、どこへどう隠されたか、お雛の
在処
(
ありか
)
を嗅ぎ出す手掛りも、その
誘拐
(
かどわかし
)
の悪者の当ても付かないのです。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
町の人あだ名して
鳥御前
(
とりごぜん
)
といふ。早池峰、六角牛の木や石や、すべてその形状と
在処
(
ありか
)
とを知れり。年とりて後茸採りにとて一人の連れと共に出でたり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
傘を
搾
(
すぼ
)
めながらちょっと会釈して、寺の
在処
(
ありか
)
を尋ねた晩成先生の頭上から、じたじた水の垂れる傘のさきまでを見た婆さんは、それでもこの辺には見慣れぬ
金釦
(
きんボタン
)
の黒い洋服に尊敬を
表
(
あらわ
)
して
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
もっとも町内へは屋敷へ女賊が入って、大事の品を盗んで隠したので、その
在処
(
ありか
)
を白状させるためという触れ込み。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お組、それは考え違いだぞ。殿様にはよく申上げて、くれぐれも上納を軽くして頂く、御墨付の
在処
(
ありか
)
を言えッ」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、善兵衛には罪はあるだろうが、子供らは何にも知らない。そのような無法な事を言うものではない、黙ってお縄を頂戴して、五人の兄妹の
在処
(
ありか
)
を言えッ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「敵、久留馬登之助の
在処
(
ありか
)
がわかりました。今夜、今すぐ名乗りかけて討ちたいと思いますが——」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「平次、これは大変な事だ、一刻も早く曲者の
在処
(
ありか
)
を突き留めて百樽の毒薬を取り上げなければならぬ。手不足ならば、何十人、何百人でも手伝わせてやる、どうだ」
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうじゃない、浪江に跡を取らせたいばかりに、俺はどんなに気をもんだか知れやしない。浪江の
在処
(
ありか
)
さえ判れば、俺は倅を
伴
(
つ
)
れて、ここを出て行く、嘘も偽りもない」
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時は
在処
(
ありか
)
の判らなかった妹の身を案じて、今晩は、それを救い出しに入ったのでした。
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
壁といってもほんの
筵
(
むしろ
)
を吊っただけ、道具箱の
在処
(
ありか
)
さえ知っていれば、外から手を入れて鑿を取出し、人間一人水中で突いた上、元の場所へ返しておけないことはなかったのです。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三十一年目で父近江を討った
不倶戴天
(
ふぐたいてん
)
の敵の
在処
(
ありか
)
を見付けたのは喜びに
堪
(
た
)
えない。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分と三平の
在処
(
ありか
)
を教えようとしたのを聞いて、始めて殺意を生じ、いよいよ打明けるという今晩、銭湯へ行ったお楽を
蹤
(
つ
)
けて、この路地に誘い入れ、いろいろに説き立てたのですが
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「大場家の大事だ。首尾よく御墨付の
在処
(
ありか
)
が判れば、礼は存分に取らせる」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「振袖源太、神妙にしろ、福屋の兄妹を五人まで
誘拐
(
かどわか
)
した事がお上に相判ったぞッ。逃げようとして逃げられる場合ではない。なまじ罪を重ねるより、お縄を頂戴して、兄妹の
在処
(
ありか
)
を申上げろ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あッ、これは娘の頭に着けていたものでございます。どこから見付かりました、これがあるくらいなら娘の
在処
(
ありか
)
もわかったでしょう。これお豊、お豊、ちょいと来てお礼を申し上げな、親分は娘を
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの時
在処
(
ありか
)
の判らなかった二人のうちの一人でございます」
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
在
常用漢字
小5
部首:⼟
6画
処
常用漢字
小6
部首:⼏
5画
“在”で始まる語句
在
在所
在家
在方
在宅
在世
在郷
在昔
在来
在原業平