“有所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ありか33.3%
ありどこ16.7%
あらゆる16.7%
ありど16.7%
ありどころ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて一方老武士は、ポンポンと鳴る鼓を追って、ドンドンそっちへ走って行ったが、松平出雲守の邸前まで来ると、音の有所ありかが解らなくなった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それでお前は設計図みつもりず有所ありどこを、紋十郎からき出してか?」——
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
豪雨がううだ……そのすさまじき豪雨の音、さうして有所あらゆる方面はうめんに落ちたぎつ水の音、只管ひたすら事なかれと祈る人の心を、有る限りの音聲を以て脅すかの如く、豪雨は夜を徹して鳴り通した。
水害雑録 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
「そ、そんなはずはねえ。手前、有所ありどを間違えたンじゃねえか」
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
我々二、三を除くの外は、館の侍も腰元もその盃の有所ありどころを存じておるものはござりませぬ……いかがでござるな鳰鳥殿! そもそもあなたは何人なんぴとから、それをお聞きになられましたな?
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)