“有体”の読み方と例文
旧字:有體
読み方割合
ありてい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
有体ありていに言えば、少年の岸本に取っては、父というものはただただ恐いもの、頑固がんこなもの、窮屈でたまらないものとしか思われなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
有体ありていに云うと、己はまだ充分に催眠術にかゝっては居なかった。強いて彼の女に反抗したければ、必ずしも反抗出来ない事はなかった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
有体ありていにいうと、私は紅葉の著作には世間が騒ぐほどに感服していなかった。その生活や態度や人物にもあきたらなく思う事が多かった。