“ひあし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
日脚62.1%
陽脚20.7%
日晷5.2%
陽足5.2%
日足3.4%
1.7%
火足1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春の日脚ひあしの西にかたぶきて、遠くは日光、足尾あしお越後境えちござかいの山々、近くは、小野子おのこ子持こもち赤城あかぎの峰々、入り日を浴びて花やかに夕ばえすれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
秀吉は、呵々かかと笑い捨てて、早や飛鞭ひべん遠くを指していた。疾駆する馬の背から、折々陽脚ひあしを仰いだ。刻々の寸時も惜しまれているらしい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃の日晷ひあしはよほど詰まって、ゆう六ツの鐘を聴かないうちに、狭い家の隅々はもう薄暗くなった。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お勢の部屋を通つて、お茂世の部屋だつた六疊の縁側から見ると、西向の狹い庭にやうやく高くなつた陽足ひあしが這つて、その中程——ぐつと板塀寄に、檢屍前のお茂世の死骸が横たはつて居るのです。
案外に話が早く纏まって、二人が柳原へ出かけたのは、最初の晩から四日目の暮れ六ツ過ぎであったが、このごろの日足ひあしはめっきり詰まったので、あたりはもう真っ暗な夜の景色になっていた。
半七捕物帳:43 柳原堤の女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかれども忘れられたる古墳を尋ねとむらはんには、秋の彼岸にはひあし既に傾きやすく、やうやうにして知れがたき断碑を尋出して
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しんの墓は小日向水道町こびなたすいどうちょうなる日輪寺にありと聞きしのみにて、いまだ一たびも行きてとむらひしことなければ、この日初夏のひあしのなほ高きに加へて、寺は一牛鳴いちぎゅうめいの間にあるをさいはひ杖を曳きぬ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
雨になったのでいっそうせいてやってるようすである。もとより湿しっけのあるに、小雨こさめながら降ってるのだから、火足ひあしはすこしも立たない。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)