日晷ひあし)” の例文
此頃このごろ日晷ひあし滅切めっきりつまって、午後四時には燈火あかりが要る。うららかな日も、今日は午後からにわかくもって、夕から雨を催した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この頃の日晷ひあしはよほど詰まって、ゆう六ツの鐘を聴かないうちに、狭い家の隅々はもう薄暗くなった。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
吾妻あずま橋を渡って、本所を通り越して、深川の果ての果て、砂村新田しんでんの稲荷前にゆき着いたのは八幡の鐘がもう夕七つ(午後四時)を撞き出したあとで、春といってもまだ日晷ひあしの短いこの頃の夕風は
半七捕物帳:10 広重と河獺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)