“吾妻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あずま45.6%
あづま28.1%
あがつま21.1%
あつま1.8%
アガツマ1.8%
アヅマコート1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくてその坂にお登りになつて非常にお歎きになつて、「わたしの妻はなあ」と仰せられました。それからこの國を吾妻あずまとはいうのです。
二個の黒影——二重外套ふたへぐわいたう吾妻あづまコウト——は石像の如くして銀座のかたへ、立ち去れり、チヨツと舌打ちつゝ元の車台へ腰を下ろしたる車夫
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
上州の吾妻あがつまの渓谷から草津を経て、白根しらね万座まんざ、更に渋峠しぶたうげを越して信州に出る間も段々避暑地として目をつけられて来てゐるやうです。
談片 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
木曾の藪原やぶはら奈良井ならいくしの産地として名が聞えます。「於六櫛おろくぐし」といい、もとは吾妻あつま村が本場だったといいます。於六という女が作り始めた梳櫛すきぐしであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
吾妻アガツマ駅から電車で草津へ、五里七十四銭は高いやうであるが、登り登るのだから成程と思ふ、駅で巡査さん駅長さんと雑談する、共に好人物だつた。
旅日記 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
聲をかけられたのは、三人連にんづれの女である。いづれしま無地むぢかの吾妻アヅマコートに、紺か澁蛇しぶじやかの傘をして、めかし込んでゐるが、聲には氣もつかず、何やら笑ひさゞめきながら通過ぎやうとする。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)