“あずま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アズマ
語句割合
50.6%
吾妻33.8%
東国5.2%
吾嬬3.9%
四阿2.6%
東都2.6%
和琴1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(風呂が沸いた)で竹法螺たけぼら吹くも同然だが、あずまへ上って、箱根の山のどてっぱらへ手がかかると、もう、な、江戸の鼓が響くから
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三十歳を半ば越しても、六本の高調子たかじょうしで「吾妻あずま八景」の——松葉かんざし、うたすじの、道の石ふみ、露ふみわけて、ふくむ矢立やたての、すみイだ河……
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もっとも業平朝臣あそんと云うお方は美男と見えまして、男の好いのは業平のようだといい女で器量の好いのを小町こまちのようだと申しますが、業平朝臣は東国あずまへお下りあって、しばらく本所業平村に居りまして
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また六樹園ろくじゅえんが狂文『吾嬬あずまなまり』に鶯谷のさくら会と題する一文ありて、勾欄こうらんの前なる桜の咲きみだれたるが今日の風にやや散りそむといへど、今はそれかとおぼしき桜の古木もさぐるによしなし。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
甲州には武田家が威をふるっていた。その頃金兵衛という商人があった。いわゆる今日のブローカーであった。永禄えいろく四年の夏のことであったが、小諸こもろの町へ出ようとして、四阿あずま山の峠へ差しかかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
酒で崩して、賭博ばくちを積み、いかさまの目ばかりった、おのの名の旅双六たびすごろく、花の東都あずま夜遁よにげして、神奈川宿のはずれから、早や旅銭なしの食いつめもの、旅から旅をうろつくこと既にして三年ごし
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さあ座敷がかりの童女たち、和琴あずまを持っておいでよ」
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)