“夜遁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よに66.7%
よにげ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこへ引越ひっこされる、と聞きましたら、(引越すんじゃない、夜遁よにげだい。)と怒鳴ります仕誼しぎで、一向その行先も分りませんが。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おかみさんが負債の方へは夜遁よにげでもするやうにして、さういふ中へ帰つて行かれるのは、どんなにか辛かつたやうであつた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「いや、こうなっては、宿賃を払わずに、こちとら夜遁よにげをするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。めっかち、いぐちでない以上は、古道具屋からでも呼んでくれ。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじはどうにかかせしてかへりたいとおもつて一生懸命しやうけんめいになつたがそれはわづか生命せいめいつなたにすぎないのであつた。近所きんじよ村落むらからつたものはしのれないで夜遁よにげしてしまつたものもあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)