“夜遁(よにげ)” の例文
「いや、こうなっては、宿賃を払わずに、こちとら夜遁(よにげ)をするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。眇(めっかち)、いぐちでない以上は、古道具屋からでも呼んでくれ。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次(かんじ)はどうにか稼(かせ)ぎ出(だ)して歸(かへ)りたいと思(おも)つて一生懸命(しやうけんめい)になつたがそれは僅(わづか)に生命(せいめい)を繋(つな)ぎ得(え)たに過(すぎ)ないのであつた。近所(きんじよ)の村落(むら)から行(い)つたものは凌(しの)ぎ切(き)れないで夜遁(よにげ)して畢(しま)つたものもあつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夜遁(よにげ)のような事をするとア合点(がってん)がいかねえ……兎も角も親方に会って行こう
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)