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夜遁
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よに
ふりがな文庫
“
夜遁
(
よに
)” の例文
どこへ
引越
(
ひっこ
)
される、と聞きましたら、(引越すんじゃない、
夜遁
(
よに
)
げだい。)と怒鳴ります
仕誼
(
しぎ
)
で、一向その行先も分りませんが。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おかみさんが負債の方へは
夜遁
(
よに
)
げでもするやうにして、さういふ中へ帰つて行かれるのは、どんなにか辛かつたやうであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
野田
(
のだ
)
へ
醤油屋奉公
(
しやうゆやばうこう
)
に
行
(
い
)
つてゝ
餘
(
あんま
)
り
飯
(
めし
)
食
(
く
)
ひ
過
(
す
)
ぎたの
原因
(
もと
)
で
眼
(
め
)
へ
出
(
で
)
たなんていふんですが、
廿位
(
はたちぐれえ
)
で
潰
(
つぶ
)
れつちやつたんでさ、さうしたらそれ
打棄
(
うつちや
)
つて
夜遁
(
よに
)
げ
見
(
み
)
てえせまるで
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あんな派手な
妓
(
こ
)
が
落籍祝
(
ひきいわい
)
どころじゃありません、
貴郎
(
あなた
)
、
着換
(
きがえ
)
も無くしてまで、借金の方をつけて、
夜遁
(
よに
)
げをするようにして
落籍
(
ひい
)
たんですもの。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、
夜遁
(
よに
)
げ同然な
俄発心
(
にわかほっしん
)
。心よりか形だけを代えました青道心でございます。面目の無い男ですから笠は御免を
蒙
(
こうむ
)
ります。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
そこでお
前
(
め
)
さん、何だって、世帯をお
仕舞
(
しめ
)
えなさるんだか、金銭ずくなら、こちとらが無尽をしたって、
此家
(
ここ
)
の御夫婦に
夜遁
(
よに
)
げなんぞさせるんじゃねえ、と
一番
(
いっち
)
しみったれた
服装
(
なり
)
をして
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……骨董屋は
疾
(
とう
)
に
夜遁
(
よに
)
げをしたとやらで、何の
効
(
かい
)
もなく、
日暮方
(
ひぐれがた
)
に帰ったが、
町端
(
まちはずれ
)
まで戻ると、余りの暑さと
疲労
(
つかれ
)
とで、目が
眩
(
くら
)
んで、
呼吸
(
いき
)
が切れそうになった時、生玉子を
一個
(
ひとつ
)
買って飲むと
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
酒で崩して、
賭博
(
ばくち
)
を積み、いかさまの目ばかり
装
(
も
)
った、
己
(
おの
)
の名の
旅双六
(
たびすごろく
)
、花の
東都
(
あずま
)
を
夜遁
(
よに
)
げして、神奈川宿のはずれから、早や旅銭なしの食いつめもの、旅から旅をうろつくこと既にして三年
越
(
ごし
)
。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
遁
漢検準1級
部首:⾡
13画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業