“あずまや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
四阿50.0%
東屋16.7%
四阿屋9.0%
7.7%
四阿亭7.7%
東家2.6%
東亭2.6%
吾妻屋1.3%
阿亭1.3%
園亭1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その中の二本の木蔭には、青い木の柱に平べったい緑いろの円屋根まるやねをつけた四阿あずまやが見え、それには『静思庵せいしあん』と銘がうってある。
しん吉さんは先月からこの近辺をまわって居りまして、ここでも東屋あずまやという茶屋旅籠屋の表二階で三晩ほど打ちました。
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
半腹に鳳山亭と匾したる四阿屋あずまやのき傾きたるあり、長野辺まで望見るべし。遠山の頂には雪をいただきたるもあり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
孔生は斎園さいえんあずまやに移った。その時孔生の胸に桃のような腫物はれものができて、それが一晩のうちに盆のようになり、痛みがはげしいので呻き苦しんだ。公子は朝も晩も看病にきた。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夫人マダムといっしょに、客間サロンから出て行ったわ。きっと庭の四阿亭あずまやの方へ行ったんでしょう」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕等は東家あずまやの横を曲り、次手ついでにO君も誘うことにした。不相変あいかわらず赤シャツを着たO君は午飯ひるめしの支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端にせっせとポンプを動かしていた。
蜃気楼 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ついふた月ほどまえに松平伊豆守がわざわざそのために造営さしたお庭つづきのおほりばたの、ほんとうに文字どおりお濠ばたの数寄すきをきわめたちいさな東亭あずまやでした。
本所分限者ぶげんしゃの一人に数えられている吾妻屋あずまや金右衛門が、昨夜誰かに殺されていることを、今朝になって発見した騒ぎでした。
吾妻屋あずまやのために大きい身上しんしょうをフイにして、親父はそれを苦にして死んでいるんだ。その上お喜多との間を割かれて——あの気性じゃ、黙っているのが不思議でたまらない」
迷宮の林の中の小径こみちふじのからまった高壇テラース阿亭あずまやの中の腰掛など、恋しい思い出の跡を求めてはみずから苦しんだ。彼は執念深くくり返した。
彼女はクリストフを阿亭あずまやの奥に連れ込んで、一房の髪の毛を入れて置いた香袋こうぶくろを、彼の首にかけてやった。彼らは永遠の誓いをまたくり返し、毎日手紙を書こうと約束した。
姨のむすめ阿松おまつは年が十七で、そんなに悪い女じゃないのです、もしまことにできないなら、阿松が毎日園亭あずまやにくるのです、その前に待ってて、御覧になったらどうです
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)