“分限者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶげんしゃ61.8%
ぶげんしや20.6%
ぶげんじゃ5.9%
ブゲンシヤ5.9%
ぶんげんしゃ2.9%
ぶんげんしや2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はまた、優に千両の無尽にも応じたが、それほど実力を積み蓄えた分限者ぶげんしゃは木曾谷中にも彼のほかにないと言われるようになった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
勘辨などは思ひも寄らねえ、——なア、相模屋さん、あつしはケチな植木屋、お前さんは江戸の長者番附にもるほどの分限者ぶげんしやだ。
それでもなお近郷きんごうでは屈指の分限者ぶげんじゃに相違ないと云う事、初子の父の栗原は彼の母の異腹はらちがいの弟で、政治家として今日の位置にこぎつけるまでには、一方ひとかたならず野村の父の世話になっていると云う事
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私に、壱岐の島の民間伝承を調べる機会と、入費とを作つてくれたのは、此島を出た分限者ブゲンシヤで、島の教育の為に、片肌も両肌も袒いでかゝつてゐる人である。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
分限者ぶんげんしゃの御隠居さまとは、表かんばん、よからぬ生業なりわいで、その日その日をお暮しになっていたとは言いながらも、私には親身のように、おつくし下さった御隠居さま、それに、あの
両面競牡丹 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
連歸つれかへもとは此所の分限者ぶんげんしやなりしを盜賊に落さんも氣の毒に思ひ家主のたくへ寄合ひ四郎右衞門にわけを尋ぬるに前々の始末を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)