“俄分限”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にわかぶげん60.0%
にはかぶんげん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宿屋の亭主のなさけを受けて今の始末、もとより悪性あくしょうのお國ゆえたちまち思うよう、此の人は一代身上いちだいじんしょう俄分限にわかぶげんに相違なし、此の人の云う事を聞いたなら悪い事もあるまいと得心したる故
今まで貧乏だった親類縁者がたちまちにして俄分限にわかぶげんとなり、みじめだった曲馬団の踊子、活動女優、女歌舞伎達は、この島では日本一の名優の様に好遇され、若い文士、画家、彫刻家、建築師達は
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それがある時、其頃の村の俄分限にはかぶんげんの山田といふ老人に、貴様も好い年齢としをして、いつまで村の衆に厄介を懸けて居るといふ事もあるまい。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
無賃で天国へまでもける筈の博愛社長にとつて、桑港シスコ行きの二等船賃は決して軽い負担ではなかつた。だが、小橋氏は久し振に俄分限にはかぶんげん同胞きやうだいを訪ねるやうな、晴々しい気持で船に乗込んだ。