俄分限にはかぶんげん)” の例文
それがある時、其頃の村の俄分限にはかぶんげんの山田といふ老人に、貴様も好い年齢としをして、いつまで村の衆に厄介を懸けて居るといふ事もあるまい。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
無賃で天国へまでもける筈の博愛社長にとつて、桑港シスコ行きの二等船賃は決して軽い負担ではなかつた。だが、小橋氏は久し振に俄分限にはかぶんげん同胞きやうだいを訪ねるやうな、晴々しい気持で船に乗込んだ。