“ちん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チン
語句割合
25.5%
22.6%
17.9%
11.1%
7.2%
3.8%
3.0%
2.1%
1.7%
1.3%
椿0.9%
0.9%
小亭0.4%
0.4%
0.4%
矮狗0.4%
離亭0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは驢馬やちんに似てはいたが、それにしても、べつに他意のないおとなしい驢馬ならばたしかに、その態度がぶざまだったところで
瀬戸物のちんだの、睡蓮だの、刺繍の鳥だのを有難がった、安物のモック・オリエンタリズムは、西洋でも追い追い流行はやらなくなった。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「どうじゃ、ちん運命うんめいてもらおう。ちんほど、しあわせのものは、またとこのなかにあるまいとおもうが。」とおおせられました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちんの寝室の戸は破れていた。が、そのほかは寝台も、西洋㡡せいようがやも、洗面台も、それから明るい電燈の光も、ことごとく一瞬間以前と同じであった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
黄血社といえば国際的なギャングで、首領のダムダムちんというのが中々の腕利うでききであるため、その筋には尻尾しっぽをつかまれないで悪事をやっている。
獏鸚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
幾度いくたび越前街道ゑちぜんかいだう往來ゆききれて、ちんさへあれば、くるまはひとりで驅出かけだすものと心得こゝろえたからである。しかし、上下じやうげには、また隨分ずゐぶん難儀なんぎもした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
支那人が大切にする『ちんの羽根』と『猫の頭』と『虎の肝臓きも』と『狼のよだれ』という四つの毒薬のうちで『鴆の羽根』という白い粉と、おんなじものになっているんですってよ。
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それ以来幕末まで、日本人とは婚姻を結ばずにずっと此処ここに住んでいたのでありますから、今もちんとかきんとかさいとかいう名を用いる者が少くありません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
新発田しばたより(蒲原郡)東北加治かぢといふ所と中条といふ所の間みちかたはら田の中に庚申塚あり、此塚の上に大さ一尺五寸ばかりのまろき石をちんしてこれをまつる。
不意のちん入者に彼女は度を失って、少時しばらく言葉もなく立竦たちすくんでいたが、相手の二人が救助に来たのであると知ると
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
孝孺の学徳ようやく高くして、太祖の第十一子蜀王しょくおう椿ちん、孝孺をへいして世子のとなし、尊ぶに殊礼しゅれいもってす。王の孝孺にたまうの書に、余一日見ざれば三秋の如き有りの語あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
くだんの亀の化石、本草家の鑒定かんてい秦亀しんきならば一そうちんますべし。山にてほりたりとあれば秦亀しんきにちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多はちひさきものにてあるひはまたかたちまつたきまれなり。
やや寒うなりかけた小亭ちんの、りかへつた小屋根のはしで、いくら振つても振つても、黄色い尻尾は、いよいよ切ない刻みを早めるばかしだ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
築山の羅漢柏あすはひのき、枝ぶりのくねつた松、ばらばらの寒竹、苔蒸した岩、瓢箪形の池の飛石、みぎは小亭ちん、取りあつめて、そのまま一つのすがたになつてる。動きの無い庭、幽かな庭。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ちん哥兄あんちゃんちん哥兄あんちゃん』ち云うと息の止まる程、花魁に抱き締められましたなあ。ハハハ。帰りがけに真鍮の指環いびがねをば一個ひとつ花魁から貰いましたが、その嬉しさというものは生れて初めてで御座いました。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
割烹かっぽうを兼ねた宿屋で、三層の高楼は、林泉の上にそびえ、御手洗川の源、湧玉池にちんしているから、下の座敷からは、一投足の労で、口をそそぎ手が洗える。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
夫から日本にも来てゐるが、矮狗ちん位な大きさで頭の毛が長く幾すぢとなく前額ひたひに垂れて目をかくしてゐる「スカイ、テリヤー」といふ奴、彼奴あいつはどうも汚臭ぢゞむさくて、人間なら貧乏書生染みて不可いかんな。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
庭の、屋前テラスの、離亭ちんの月
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)