“蜒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うね79.5%
うねり5.1%
くね5.1%
2.6%
うな2.6%
えん2.6%
わだかま2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
痣のある武士、ムーッと呻くと、ポタリと刀を落としたが、全身を弓のようにうねらせると、ヒョロヒョロヒョロヒョロと前へ出た。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
胸から胴から下腹部から、延ばされた二本の脚の方へ、うねりのようなものが伝わって行く。のた打っている爬虫類さながらである。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
築山の羅漢柏あすはひのき、枝ぶりのくねつた松、ばらばらの寒竹、苔蒸した岩、瓢箪形の池の飛石、みぎは小亭ちん、取りあつめて、そのまま一つのすがたになつてる。動きの無い庭、幽かな庭。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
富士帯の大幹とも根柢ともいうべき富士山は、南に伊豆函根の諸山を放って海に入っているが、北は茅ヶ岳、金ヶ岳、八ヶ岳とねって、その間に千曲川の断層を挟んで、日本南アルプスの白峰山脈
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
永い苦海の間にも精気の緩急おきふしがあって、○○○の肌が死ぬほどうっとうしく感ぜられ、それがまるで、大きな波のうなりの底に横わっていて
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大手前の方から真っ直ぐにお練りで来た大名の一列がある——先払いの徒士かち侍、二本萌黄羅紗もえぎらしゃの道具金紋先筥さきばこえんとして半町にわたる行列、今しも外濠の橋を渡りかけて半ばは町へ入っていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思惟と感情の異様なわだかまり、粘っこさを文体にまで反映して、若き世代の文学が当面している社会的・文学的重圧の大きさを思わしめるものが多かったのである。
今日の文学の展望 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)