“くね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
12.5%
垣根8.3%
8.3%
8.3%
久根4.2%
4.2%
4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古書こしよ渋海しぶみ新浮海しぶみとも見えたり。此川まがくねり、広狭ひろせまい言ひつくすべからず。冬は一面に氷りとぢてその上に雪つもりたる所平地のごとし。
曾根は女の力でささえられたような家族の中に居て、又、女の力で支えられたような芸術にたずさわっていた。時とすると、彼女の言うことは、岩の間を曲りくねって出て来る水のように冷たかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
細かい縞の足利織では有りますが、一寸ちょっと気の利いた糸入の単物ひとえものに、紺献上の帯を締め、表附おもてつきのノメリの駒下駄を穿き、手拭を一寸頭の上へ載せ、垣根くねの処から這入って後姿うしろすがたを見て
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こと巴里パリイで名高い古い街の一つに数へられて居るだけ昔のすゝびた建物が多いので一層どすぐらく、その酒場キヤバレエまで登つてく間の曲りくねつた石畳の坂みちの不気味さと云つたらない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
肌は咲き初めた紫陽花あじさいのように、濃い紺青や赤紫やまたは瑠璃るり色やまたはかばや、地味地層のちがうに連れて所まだらに色も変わり諸所に峨々ががたる巌も聳え曲がりくねった山骨さえ露骨あらわ
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一髪の道が通じて、旅人が通つてゐるのが、ふり仰がれる、その上に青緑の山は高くそびえ、川は勾配を急に、杉の培養林のある山をめぐる、久根くねの銅山が見えて
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
時間を待つてゐると、八反帆を南風に孕ませた上り船が、白地に赤く目じるしを縫ひつけて、二帆三帆と、追つかけ追つかけ、上つて来る、久根くね銅山から、銅を積み出すために、来るのだといふ
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
故郷の村落を縫うてゆるやかに流れる椹野川ふしのがはの川畔の草土手に添つて曲りくねつた白つぽい往還に現れた、H縣の方から山を越えて遣つて來る菅笠を冠つた金魚賣りの
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
高くもない雑木山芝山が、うねくねつた路に縫はれてゐた。然し松子の足を困らせる程には峻しくもなかつた。足音に驚いて、幾羽の雉子が時々藪蔭から飛び立つた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)