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曲
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くね
ふりがな文庫
“
曲
(
くね
)” の例文
私がのっそりと
突立
(
つッた
)
った
裾
(
すそ
)
へ、女の
脊筋
(
せすじ
)
が
絡
(
まつわ
)
ったようになって、右に左に、肩を
曲
(
くね
)
ると、
居勝手
(
いがって
)
が悪く、白い指がちらちら乱れる。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古書
(
こしよ
)
に
渋海
(
しぶみ
)
又
新浮海
(
しぶみ
)
とも見えたり。此川
屈
(
まが
)
り
曲
(
くね
)
り、
広狭
(
ひろせまい
)
言ひ
尽
(
つく
)
すべからず。冬は一面に氷り
閉
(
とぢ
)
てその上に雪つもりたる所平地のごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
鞄
(
かばん
)
を置いたる
床間
(
とこのま
)
に、
山百合
(
やまゆり
)
の花のいと大きなるを
唯
(
ただ
)
一輪
棒挿
(
ぼうざし
)
に
活
(
い
)
けたるが、
茎形
(
くきなり
)
に
曲
(
くね
)
り傾きて、あたかも
此方
(
こなた
)
に向へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
できるだけAの心を動かすように
艶
(
なま
)
めかしく
曲
(
くね
)
らしたもので、誰が
貰
(
もら
)
っても
嬉
(
うれ
)
しい顔をするに足るばかりか、今日の新聞を見たら、
明日
(
あした
)
ここへ御着のはずだと出ていたので
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なお大分走って松の大木の間を彼方此方縫い
曲
(
くね
)
った末、僕達は漸く今夜の宿に着いた。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
繞石
(
ぜうせき
)
君に逢はうとは思ひ
掛
(
が
)
けなかつたので、
扉
(
と
)
を開けて
這入
(
はひ
)
つて来たのも、
少時
(
しばらく
)
話した
後
(
あと
)
で
曲
(
くね
)
つた梯子段を寒い
夜更
(
よふけ
)
に降りて
行
(
い
)
つたのも芝居の人物の出入りの様な気がしてならなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
拠
(
よん
)
どころなくほたほたしながら頭を
撫
(
な
)
でて遣るだけで
不承
(
ふしょう
)
して、又歩き出す。と、ポチも忽ち身を
曲
(
くね
)
らせて、横飛にヒョイと飛んで駈出すかと思うと、立止って、私の
面
(
かお
)
を看て
滑稽
(
おどけ
)
た
眼色
(
めつき
)
をする。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その時まで、雲助どもの乱暴を、
打腹立
(
うちはらだ
)
って
拗
(
す
)
ねたる
状
(
さま
)
、この救い
人
(
て
)
に対してさえ、我ままに甘えて
曲
(
くね
)
るか、
捗々
(
はかばか
)
しく口も利かずにいたのであった。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何時
(
いつ
)
も変な建物だと思つて見て通る
許
(
ばか
)
りだと内藤が云ふと、以前まだ
此辺
(
このへん
)
が森であつた時分にユウゴオが
此処
(
ここ
)
に住んで居た。あの家の前に
曲
(
くね
)
つて立つて居る木はユウゴオが手づから植ゑたのだ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「やあ、目を
覚
(
さま
)
したら
密
(
そっ
)
と見べい。おらが、いろッて泣かしちゃ、仕事の邪魔するだから、
先刻
(
さっき
)
から辛抱してただ。」と、かごとがましく身を
曲
(
くね
)
る。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
電信
(
でんしん
)
の
柱
(
はしら
)
を
楯
(
たて
)
に、
肩
(
かた
)
を
曲
(
くね
)
つて、
洋傘
(
かうもり
)
の
手
(
て
)
を
柱
(
はしら
)
に
縋
(
すが
)
つて、
頸
(
うなじ
)
をしなやかに、
柔
(
やはら
)
かな
髢
(
たぼ
)
を
落
(
おと
)
して、……
帶
(
おび
)
の
模樣
(
もやう
)
の
颯
(
さつ
)
と
透
(
す
)
く……
羽織
(
はおり
)
の
腰
(
こし
)
を
撓
(
たわ
)
めながら、
忙
(
せはし
)
さうに、
且
(
か
)
つ
凝
(
ぢつ
)
と
覗
(
のぞ
)
いたが
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しがみついたという
体
(
てい
)
で、それで
※々
(
なよなよ
)
と力なさそうに背筋を
曲
(
くね
)
って、
独鈷入
(
とっこいり
)
の
博多
(
はかた
)
の
扱帯
(
しごき
)
が、一ツ
絡
(
まつわ
)
って、ずるりと腰を
辷
(
すべ
)
った、
少
(
わか
)
い女は、帯だけ取ったが、
明石
(
あかし
)
の
縞
(
しま
)
を着たままなんです。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、脊筋を
曲
(
くね
)
って、肩を入れる。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
“曲”を含む語句
委曲
屈曲
曲節
折曲
彎曲
謡曲
曲事
迂曲
曲線
大曲
曲尺
序曲
曲芸
戯曲
一曲
曲舞
行進曲
部曲
小曲
曲者
...