“謡曲”のいろいろな読み方と例文
旧字:謠曲
読み方割合
うたい60.6%
ようきょく18.2%
うたひ9.1%
きよくをうたふ6.1%
うた3.0%
えうきよく3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また謡曲うたいの中には「あらあら恐ろしの般若声はんにゃごえ」という言葉もあります。それからお坊さんの間ではお酒の事を「般若湯はんにゃとう」といいます。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
すると、朝倉先生が、急にいずまいを正し、謡曲ようきょくでもやりだしそうな姿勢になった。みんなは急にしんとなって、片唾かたずをのんだ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
謡曲うたひの好きな方は、画もよくお解りだから頼もしい。なに、画は屹度きあげますよ。それぢや今日は一つ聴いて戴きますかな。」
嬋娟哥妓うつくしきげいしや袖をつらね、素手そしゆ弄糸いとをろうし朱唇しゆしん謡曲きよくをうたふ迦陵頻伽かりやうびんがこゑ外面如𦬇げめんによぼさついろきやうそゆれば、地獄谷ぢごくだに遽然たちまち極楽世界ごくらくせかいとなれり。
鞍馬の謡曲うたを口ずさみながら、そのじりじりとする懊悶おうもんまぎらわすように黒塗の欄へもたせた忠房の後ろに待ちかねた近侍の衣音きぬおとがしたので、はッと振り顧った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
哥沢節うたざはぶし」は時代のちがつた花柳界くわりうかいの弱いかこちを伝へたに過ぎず、「謡曲えうきよく」は仏教的の悲哀を含むだけ古雅こがであるだけ二十世紀の汽船とは到底相容あひいれざる処がある。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)