“相容”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいい84.8%
あひい15.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
想うに貨殖かしょくに長じた富穀と、人の物と我物との別に重きを置かぬ、無頓着むとんじゃくな枳園とは、その性格に相容あいいれざる所があったであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然るが故に社会百般の現象時として甚だ相容あいいれざるが如きものありといへども一度ひとたびその根柢こんていうかがいたれば必ず一貫せる脈絡の存するあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
相容あひいれざる二の岸の間にて、日にさからひて遠く延びゆき、さきに天涯となれる所を子牛線しごせんとなす 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
哥沢節うたざはぶし」は時代のちがつた花柳界くわりうかいの弱いかこちを伝へたに過ぎず、「謡曲えうきよく」は仏教的の悲哀を含むだけ古雅こがであるだけ二十世紀の汽船とは到底相容あひいれざる処がある。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)