くね)” の例文
うねくねった帯のように、町を横断しているのは、西村堀に相違ない。船が二三隻よっていた。寺々から梵鐘が鳴り出した。
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
曾根は女の力でささえられたような家族の中に居て、又、女の力で支えられたような芸術にたずさわっていた。時とすると、彼女の言うことは、岩の間を曲りくねって出て来る水のように冷たかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こうして弥生も半ば過ぎた頃、飛騨の高原をねりくねって洋々と流れる高原川の流域の砂地へ辿たどり着いた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)