ちん)” の例文
ちんはここに畏くも我上帝が、正義を行っておそれざる法官と、恥辱を忍んで法にしたが皇儲こうちょとを与えられたる至大の恩恵を感謝し奉る」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「どうじゃ、ちん運命うんめいてもらおう。ちんほど、しあわせのものは、またとこのなかにあるまいとおもうが。」とおおせられました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちんおもう、競争は商業上にも必要なることを。しかり、競争は国家にも国民にも必要にして、互いに相促進して新勢力を与うるものなり。
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
ちんの行く末は案じぬが、世の末を思うと、夜も安からず思う。……かなしい哉、朕はそも、いかなれば、不徳に生れついたのであろう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遺詔に曰く、ちん皇天の命を受けて、大任に世にあたること、三十有一年なり、憂危心に積み、日に勤めて怠らず、専ら民に益あらんことを志しき。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これがためにちんはすなわち国家なりと誇言したる大皇帝の子孫も他国に流寓し天涯の孤客とならざるべからざるに至れり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
天下の富をたもつ者はちんなり、天下の勢力をたもつ者も朕なり、と堂々宣言のある日まで、日本は主として女帝によつて孜々ししとして経営がつゞけられてゐた。
道鏡 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
陛下もなるほどそうか、それではちんも遠来の大使をぐうするに最敬礼をもってせんといわれ、使節も陛下もともに侮辱を最敬礼と心得て実行されたという話がある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ちんが統治する陸奥の少田おた郡からはじめて黄金を得たのを、驚き悦びとうとびたもう旨が宣せられてある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
豈料あたはからんや藤原実美さねとみ等、鄙野匹夫ひやひっぷの暴説を信用し、宇内うだいの形勢を察せず国家の危殆きたいを思はず、ちんが命をためて軽率に攘夷の令を布告し、みだりに討幕のいくさおこさんとし、長門宰相の暴臣のごと
尊攘戦略史 (新字新仮名) / 服部之総(著)
飢人地上に倒れし時、主上御宸襟を悩ませられ、ちん不徳あらば朕一人を罪せよ、黎民れいみん何んのとがあるべき、しかるに天このわざわいを下すと、ことごとく嘆きおぼし召し、朝餉あさがれい供御くごを止めさせらる。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『百姓貧シキハすなはちんノ貧シキナリ、百姓ノ富メルハ則チ朕ノ富メルナリ』
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちん、明治十四年十月十二日の詔をみ、立憲の政体を大成するの規模は、固より一定する所ありと雖も、其の経営措画そかくに至ては、各国の政治を斟酌して、以て採択に備へるの要用なるが為めに
せめて暑中しよちうは西の京へでも、侍臣斯く申せば、御気色みけしきかはり、のたまひけらく「ちん西京をきらふと思ふか。いな、朕は西の京が大好きなり。さりながら、朕、東の京を去らば、誰か日本のまつりごとを見むものぞ?」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ちんが一言いうから、その方達に対句ついくをしてもらおう。」
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ちん歔欷きよきセサルハナシ——大體かういふ意味であつた。
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
朕祖宗ちんそそう遺列いれつ万世一系ばんせいいっけい帝位ていいちんカ親愛スル所ノ臣民しんみんすなわチ朕カ祖宗ノ恵撫慈養けいぶじようシタマヒシ所ノ臣民ナルヲおも康福こうふくヲ増進シ其ノ懿徳良能いとくりょうのうヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛よくさんともともニ国家ノ進運しんうん扶持ふじセムコトヲ望ミすなわチ明治十四年十月十二日ノ詔命しょうめい履践りせんここ大憲たいけんヲ制定シ朕カ率由そつゆうスル所ヲ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
ちんは、もっとそれ以上いじょうのもの、永久えいきゅう平和へいわもとめているのじゃ。はやく、ちんいしになり、くさになり、なんじ魔法まほうでしてもらいたい。」
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かつて汝をしりぞけて郷里にわびしく過ごさせたのは、まったくちんの不明が敵の謀略にのせられたものに依る。いまふかくそれを悔ゆ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
方孝孺に語りたまわく、燕王は孝康こうこう皇帝同産どうさんの弟なり、ちん叔父しゅくふなり、われ他日宗廟そうびょう神霊にまみえざらんやと。孝孺曰く、兵一たび散すれば、急にあつむ可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
自らを唯一の太陽と信じ、すべての富と勢いはちんにありと信じる人が、太陽の孫を他から借りて定めるとはナゼであろう。理由は恐らくただ一ツではなかろうか。
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ちんが後には洪水あらんとは、これルイ十五世が死になんなんとして仏国の将来を予言したるの哀辞なり。今や洪水の時代はすでにわが邦に来たり、吾人ごじんまた波瀾層々のうちに立てり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
一首の意は、ちんが山に行ったところが山に住む仙人どもがいろいろと土産みやげを呉れた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「今の例は、昔の新儀だった。ちんの新儀は、また後世の先例となろう。藤房、そちには駸々しんしんたる時勢の歩みがわからんとみえるな」
「なに、ちんあたまうええるおおきなほしではないのか。そして、あのあかかなしげなほしがそれであるのか。それはどういうわけじゃ。」と、おうさまはわれました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
帝曰く、これちんが家事なり、先生はなはだ労苦するなかれと。左右をして筆札ひっさつを授けしめて、おもむろにみことのりして曰く、天下に詔する、先生にあらずんば不可なりと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
爾来じらい、天平の盛時、諸国に国分寺がたち、聖武天皇が大仏の鋳造ちゅうぞうちょくして、天下の富をたもつ者はちんなり、天下の勢力をたもつ者も朕なり、堂々宣言のある日まで
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「侍従どもが、餓鬼のごとく痩せてゆくのは、見ている身がつらい。願わくは、ちんへ徳をほどこす心をもて、彼らにあわれみを与えよ」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、ちんの命令に服してくれという。すると国民は泣いて、外ならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。
続堕落論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「張郎中。きょうは何か、ちんに、折入って懇願あるということだから、近臣はみな遠ざけておいたぞ。気がねなく思うことを申すがよい」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、ちんの命令に服してくれという。すると国民は泣いて、ほかならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども忍んで負けよう、と言う。
堕落論〔続堕落論〕 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ちん賤土せんどに育ち、書は余り読まなかったが、人生の何たるやは、この年までにほぼ解したつもりである。もういたずらに歎くをやめよ」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちんの身はどのようになろうとも、と彼は叫んでいるではないか。そこに溢れている善意は尊い。天皇ほどではないにしても、偶像的に育てられた旧家の子供はたくさんいる。
ちんの生涯にはなおなさねばならぬ宿題がある。それは呉を伐つことだ。むかし桃園に盟をむすんだ関羽の仇を討つことである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちんはタラフク食っている、というプラカードで、不敬罪とか騒いだ話があったが、思うに私は、メーデーに、こういうプラカードが現れた原因は、タラフク食っているという事柄よりも
天皇陛下にさゝぐる言葉 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「しかし、ちんには、司馬懿しばいそむかれるような覚えがない。そも、彼は何を怨んで魏に弓を引く心になったと卿らは考えるのか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして大仏をつくるとき、天下の富と勢いを保つのはちんだ、と叫んだ。まさに女帝三代の合言葉はそれであったし、その合言葉を生れながらの精気としてはらんで育ったのが、彼でもあった。
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
鞍馬あんば長途の馳駆ちく、なんで服装を問おう。今日、ちんが危急に馳せ参った労と忠節に対しては、他日、必ず重き恩賞をもって酬ゆるであろうぞ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちんはミノのタド山の美泉を連用して参ったが、顔と手はスベるようになる、痛みはとまる、白髪は黒くなる、夜も目が見えてくる、その他の何にでもきく。まさに老を養う水の精とはこれだ。
「もとより、即位はちんの志ではなかったのです。また即位してからでも、諸政一事として、朕のこころから出たことはない」と。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大仏の鋳造に当って「天下の富をたもつ者はちんなり。天下の勢をもつ者も朕なり」と勅した天皇は、その鋳造を終って東大寺に行幸し、皇后と共に並んで北面の像に向い、凜々りんりんと大仏に相対し
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
……とは申せ、が都返りのため、そちがさかしまに朝敵となり賊軍視されてはなるまい。ついては、ちんの位をこのさい皇太子にゆずっておこう。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「国舅——。ちんが先祖は、いずこから身をおこして、この基業を建て給うたか。朕が学問のために、由来をのべられい」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちんが、彼ら二賊のために、苦しめられていることは、実に久しいものだ。日々、朕は、我慢と忍辱にんじょくの日を送っている。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
畏れ多くも、白河法皇の御ことばにさえ——ちんの心のままにならぬものは、双六すごろくさいと賀茂川の水——とある。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「天子のおことばとして——ちん病弱のため帝位を董太師に譲るべしと、偽りの詔を下して彼を召されるのです。董卓はよろこんで、すぐ参内するでしょう」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが漢室のわかれた者のすえである——玄徳はちん外叔がいしゅくにあたるものぞと、勿体ない仰せをこうむりました。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後主こうしゅ劉禅りゅうぜんも声を放って泣き、「むかし当陽の乱軍中に、趙雲のかいなに救われなかったら、ちんが今日のいのちはなかったものである。悲しいかな、いまその人はく」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操こそちんを苦しめ、漢室をくろうしている大逆である。馬騰! そちの兵はそのいずれをちにきたのか
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま相父に会って、初めて疑いの心も解けたが、悔ゆれども及ばず、まったくちんのあやまりであった」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)