“割烹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっぽう80.5%
かつぱう4.9%
りょうりや4.9%
にたき2.4%
かつぱうす2.4%
りょうり2.4%
れうり2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梅水は、以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁をびさせない腕をみがいて、吸ものの運びにも女中のすそさばきをにらんだ割烹かっぽう
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まかなひは遙か半町も離れた二階下の臺所に行かなければ一人もゐない。病室では炊事すゐじ割烹かつぱうは無論菓子さへ禁じられてゐる。して時ならぬ今時分何しに大根卸だいこおろしこしらえやう。
変な音 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
以前もと、新橋のK……で叩き上げた技倆うでだと、自慢してる丈の事は有って、年は二十八だが、相応に庖丁も効き、つい此間迄は、浅草の、好く流行る二流所の割烹りょうりやの板前だった。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
また割烹にたきの法とか育児法とか申す事位は、台所で母や下女げじょと相談したり、出入の医者に聞いたり、一、二冊の簡便な書物を読んだりしても解る事です。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「十三日。(五月。)晴。午後微雨。関帝祭祀。安石夫婦来割烹かつぱうす。」関帝を祭ることは、維新後にも未だ廃せられずにゐた。飯田安石と其妻とが来て庖厨の事をつかさどつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もっぱら西洋の割烹りょうりを用い。家屋すまいも石造玻窓はそうにかぎり。衣服は筒袖呢布らしゃならでは着するをいとい。家の婢僕ひぼくに至るまでも。わが国振りの衣服を着せしめず。皆洋服の仕為着しきせを用いしむるまでにして。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
加之のみならず何事にも器用な人で、割烹れうりの心得もあれば、植木いじりも好き、義太夫と接木つぎき巧者じやうずで、或時は白井様の子供衆のために、大奉だいほう八枚張の大紙鳶おほたこを拵へた事もあつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)