“にたき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
煮炊51.3%
煮焚28.2%
煮焼10.3%
割烹2.6%
炊事2.6%
烹熟2.6%
煮沸2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを見て、水をすかしているふたりの士卒しそつがいった。大久保勢おおくぼぜい兵糧方ひょうろうがためししる煮炊にたきする身分のかるい兵である。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はただ、今の離座敷にあるものをそっくり新規な家の方へ持って行くだけのことであった。丁度煮焚にたきの世話を頼むに好さそうな婆やも一人見つかったし。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
名物と云えば、も一ツその早瀬塾の若いもので、これが煮焼にたき、拭掃除、万端世話をするのであるが、通例なら学僕と云う処、いなせ兄哥あにいで、鼻唄をうたえばと云っても学問をするのでない。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また割烹にたきの法とか育児法とか申す事位は、台所で母や下女げじょと相談したり、出入の医者に聞いたり、一、二冊の簡便な書物を読んだりしても解る事です。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
女子大学などと申す立派な名義の学校まで出来ながら、多数の生徒は何を習っているかといえば、良妻賢母主義の倫理と家政科と言う割烹にたき御稽古おけいことが主になっております。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
少しも安息やすむ暇がないうちにも弟を小学校に出し妹に自分で裁縫の稽古をしてやり、夜は弟の復習さらえてやらねばならず、炊事にたきから洗濯から皆な自分一人の手でやっていた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
第九 食物しよくもつ衣服いふくごと分限ぶんげんによるは勿論もちろんなれど、肉食にくしよくあざらけくあたらしきしな野菜やさいわかやわらかなるしなえらぶべし。よく烹熟にたきして、五穀ごこくまじくらふをよしとすること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
ひき越して五六日間は板を買つて来て棚を彼処此処あちらこちらに附けるのも面白いし、妻が瓦斯ぐわす煮沸にたきをするのを子供等と一緒に成つて珍らしさうに眺めたり
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)