“かしぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
22.2%
炊事22.2%
飯炊11.1%
傾斜11.1%
可思議11.1%
炊飯11.1%
飯焚場11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取次のわらべは、奥へ入ったまま、なかなか出てこない。遠くに、たくさんな牛の鳴き声がするし、釜屋や下男の長屋には、かしぎの煙がさかんで、何百人もの傭人やといにんが、がやがやいっているようでもある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
店開きを致してわずか十日ばかりうちに、友之助は店に坐って商いをして居ります。袋物店ふくろものみせでございまして、間口は狭くも良い代物しろものがあります。おむらは台所廻り炊事かしぎわざなどをいたして居ります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
賄の孫三郎、水夫、綱取、飯炊かしぎなど合せて十四人、帰り荷の燈油二百樽、大豆二百俵を積み、十月の下旬に江戸を出帆した。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なかでも十六歳にもならぬ飯炊かしぎの房次郎と年寄の庄兵衛は、浪の色を見るのさえ物憂くなったのか、寝框にひっこんだきり、なにがあっても出てこぬようになった。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
山の傾斜かしぎもかなり急で歩くに油断が出来なかった。……ひょっこり雷鳥が子を連れて灌木から顔を出したりした。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
快庵この物がたりを聞かせ給うて、世には不可思議かしぎの事もあるものかな。
北野も、この辺は場末で、黄昏たそがれとなっても、温かい炊飯かしぎの煙がただよう家は稀れだ。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飯焚場かしぎへ行って、おひつの洗い流しでも貰ってきてくだされとねだりかけた。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)