かしぎ)” の例文
子を負って、棉をんだり、麦を踏んだり、かしぎをしたりしている母は、そんな時は、いて背中を向けて黙っていた。しかし、自分が打たれるより、悲しい辛い顔であった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取次のわらべは、奥へ入ったまま、なかなか出てこない。遠くに、たくさんな牛の鳴き声がするし、釜屋や下男の長屋には、かしぎの煙がさかんで、何百人もの傭人やといにんが、がやがやいっているようでもある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)