“櫃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひつ79.4%
びつ9.3%
はち5.2%
ひつぎ2.1%
おはち1.0%
1.0%
はこ1.0%
ビツ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
艫に大きな飯たきがまをすえ、たきたての飯をひつにつめているのもある。その飯の色のまっ白なのが妙に目についてしようがなかった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「虫干しだ。——よろいびつやら矢束やたばやら。イヤ、持ち出してみると、思いのほか、少ないものよ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、冷かしも、ぜっ返しも気に掛けるいとまなく、見栄みえ糸瓜へちまも棒に振って、いきなり、おはちからしゃくって茶碗へ一杯盛り上げた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
テュイルリー宮殿の財宝のひつぎは、一八四八年にはだれからまもられていたか。サン・タントアーヌ郭外の屑屋くずやどもからではなかったか。ぼろは宝物の前に番をしたのである。
兎も角もランプをつけて、東京からおはちごと持参じさんの冷飯で夕餐ゆうげを済まし、彼等夫妻は西の六畳に、女中と三吉は頭合せに次の六畳に寝た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今の歐羅巴の美術は大抵沒理想派のたまものなり。沒理想派の賜をばわれ受けて、沒理想派の論をばわれ斥く。さればへきを留めてかへすを我山房のはかりごととするなり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
あゝこれらのいとも富めるはこに——こは下界にて種をくにふさはしき地なりき——收めし物の豐かなることいかばかりぞや 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
東京芝大神宮の行器ホカヒ——ちぎ・ちげ又は、ちぎビツと言ふ——は、大久保彦左用ゐる所の首桶だと言ふ。而も食物容れだと言ふ事は、其処でも忘られては居ない。