“夕餐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうげ20.7%
ゆふげ17.2%
ゆうさん17.2%
ゆふめし17.2%
ゆふさん10.3%
ゆうはん6.9%
ゆうめし6.9%
ディナー3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兎も角もランプをつけて、東京からおはちごと持参じさんの冷飯で夕餐ゆうげを済まし、彼等夫妻は西の六畳に、女中と三吉は頭合せに次の六畳に寝た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
半町ばかり行つて復た振返つて見ると、未だ友達は同じところに佇立んで居るらしい。夕餐ゆふげの煙は町の空を籠めて、悄然しよんぼりとした友達の姿も黄昏たそがれて見えたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
五、六日つと、京橋采女町うねめちょうの松尾儀助氏から、幾日何時、拙宅にて夕餐ゆうさんを差し上げたく御枉駕ごおうが云々という立派な招待状が参りました。
妹のおすぎは夕餐ゆふめしの支度に取り掛つてゐたが、何時の間にか茶の間の入口に突立つてゐる兄の顏が目につくと吃驚びつくりした。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
その夜、夕餐ゆふさんのとき赤彦君は『めしを見るのもいやになつた』といつたさうである。十八日に摂津国を立つた中村君は、十九日に柹蔭山房に著いた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
実験にきると、花壇に出て、美しい花を摘み、夕餐ゆうはんがすむと、嫂と百合子と、執事の勝見を相手に麻雀を闘わすのが、もっとも彼の動的な生活様式で、あとは唯もう
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夕餐ゆうめしには昨夜猫に取られた泥鰌どじょうの残りを清三が自分でさいてご馳走した。母親が寝ているので、父親が水を汲んだり米をたいたりけ物を出したりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「妾、銀座へ夕餐ディナーをとりに行くのよ。」「どうぞ…………」「君つきあってくれない。」「O・K」「そんならタクシーで誘いますよ。」
職業婦人気質 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)