“倦”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
61.2%
23.2%
うん3.6%
あぐ2.1%
1.8%
あき1.3%
だる1.3%
1.0%
たる0.8%
0.5%
(他:12)3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“倦”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語36.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.1%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
午後は読書にんで肱枕ひじまくらめているところへ宿の主人が来た。主人はよく語るので、おかげで退屈を忘れた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ここ久しく合戦もなく、長陣にみ、功名に渇していた魏の諸将は、われもわれもと司馬懿のゆるしを仰いで戦場へ飛び出した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隱れんぼをする子供が、見つかりさうになりながら急に逃げ出すといふ刹那の心理を以て、彼はかず此青年の擧動を視察した。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
彼において一番偉大な価値のあるのは、真理のために戦ったその驚くべき性格、熱烈な真摯しんしくことなき生涯である。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
夫人は食堂の長椅子に、はたと身をせ掛け、いたくうんじたるていにて、圓く肥えたる手もて頬を支へ、目を食單もくろくに注げり。
食堂に現われる時の葉子の服装だけでも、退屈にうんじ果てた人々には、物好きな期待を与えた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ます々怪しいけれど、兎に角此の世に、此の時計の捲き方を知る人の有るは、調べあぐんで居た余の叔父に取っては非常の好都合に違い無い
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
にこにことほほえみながら近づいて来るのは、なんとなんと! 今の今まで、一日一杯私が探して探して探しあぐねていた、ジーナとスパセニアだったのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
この上に明らかな間違つたことがあらうか? この頃の二人のれ切つた生活も、私が心持の取直し様一つによつて救はれもする。
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
が、眠元朗は娘がそう遣ったときから、忘失してしまったようにからだ全体に重々しいるい悲哀をかんじた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
丁度花を持って遊ぶ子が、遊びあきてその花を打捨うっちゃってしまうように、貴方はわたしを捨てておしまいなさいました。
また小奇用こぎようで、何一ツ知らぬという事の無い代り、これ一ツ卓絶すぐれて出来るという芸もない、ずるけるが性分であきるが病だといえばそれもそのはずか。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私もウイスキーがまわったせいか、何となくだるいような、睡たいような気持ちになりつつ、机の上に両肱を立ててあごを載せた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その内に、身体中が、少しずつ、だるくなってきた。関節が、倦くて、堪らないから、揉みたい、と思ったが、もう、手を動かすのも、厭であった。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
其でも、まずにさへ織つて居れば、何時イツか織りあがるもの、と信じてゐる様に、脇目からは見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
軍幕未ダベンゼズ、将ムヲ曰ハズ、軍サウ未ダカシガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、キウヲ暖ニセズ、夏、センラズ、雨ニガイヲ張ラズ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吸殼は火鉢の隅に目立つやうにかさになツて、口が苦くなる、頭もソロ/\たるくなツて來て、輕く振ツて見ると、后頭が鉛でも詰めてあるやうに重い。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
足がけツたるいので、づいと伸ばして、寐がへりを打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい木綿もめんかほりが微に鼻をツた。眼が辛而やつと覺めかかツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そんな事を私が言っていたのを聞いた人々がもしいまの私を見たら、こうして明け方から日の暮れまでゆまずにお勤しているのを、まあ、どんなに笑止に思うことだろう。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あかはだかなる身のるさ、めども、あほれ、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
近代生活思潮に刺戟しげきをうけながらも、その不安をごまかして、与えられる物質だけに満足して、ものうい日々をおくるのを、高等な生活のように思いこんだ婦人たちは、あなたが新しい女と目されて
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
血を吐くやうな ものうさ、たゆけさ
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
「で、どうするの?」私はからだがものうくってたまらぬので、どうでもなれとおもって言った。
帰途 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
去る程に其の日の残る半日の暮れつ方まで、われは只管ひたすらに恍惚として夢の中なる夢の醒めたる心地となり、何事も手に附かず、夕餉ゆふげの支度するもものう
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ものうじがほにたゆたひつ、まよひつ、やが
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
うずまき起って沸々ふつふつと、今拳頭けんとうほとばしり、うむつかれも忘れ果て、心はさえさえ渡る不乱不動の精進波羅密しょうじんはらみつ、骨をも休めず筋をも緩めず、くや額に玉の汗
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
机の前に端座して生徒の清書を点検したり、作文をたり、出席簿を調べたり、くたぶれた時はごろりとそこに寝ころんで天井をながめたりしている。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
駝鳥だちょう羽扇おおぎが、けだるそうにゆらりと揺れて、香料の風を送る。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
けだるい光りを放つ、鳶色とびいろの大きな眼。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
あとはたゆまぬ勉強だけだ。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
黒煙くろけむりいて、くるまともはず、ひとともはず、ほのほからんで
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
博多から油照りの船路に、乗りアグねた人々は、まだ郷野浦ガウノウラ行きの自動車の間には合ふだらうかなどゝ案じながらも、やつぱりおりて行つた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)