“辛而”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やつと75.0%
やツと25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足がけツたるいので、づいと伸ばして、寐がへりを打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい木綿もめんかほりが微に鼻をツた。眼が辛而やつと覺めかかツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そして幾箇いくつの橋を渡ツて幾度道を回ツたか知らぬが、ふいに、石か何かにつまづいて、よろ/\として、あぶなころびさうになるのを、辛而やつと踏止ふみとまツたが、それですツかりが覺めて了ツた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
腕を枕にしてゐるからだと氣が付いたが、それでゐて寢返りを打つこともなかった。痺れるだけ痺れさせて置く氣だ。指先から肘にかけて感覺も何もなくなった頃に、由三は辛而やツと眼を啓けた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)