辛而やツと)” の例文
腕を枕にしてゐるからだと氣が付いたが、それでゐて寢返りを打つこともなかった。痺れるだけ痺れさせて置く氣だ。指先から肘にかけて感覺も何もなくなった頃に、由三は辛而やツと眼を啓けた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)