“やツと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
辛面66.7%
辛而33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何處か氣脱のした體で由三が眼前めのまえに突ツ立ツても氣が付かなかツた。で聲を掛けると、ソワ/\しな不安な眼光まなざしで、只見で置いて、辛面やツとにツこりして挨拶をするといふ始末。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お房が周三のモデルになつて、彼の畫室ぐわしつのモデルだいに立つやうになツてから、もう五週間しうかんばかりになる。しか製作せいさく遲々ちゝとして一かう捗取はかどらぬ。辛面やツとかげとひなたが出來たくらゐのところである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
腕を枕にしてゐるからだと氣が付いたが、それでゐて寢返りを打つこともなかった。痺れるだけ痺れさせて置く氣だ。指先から肘にかけて感覺も何もなくなった頃に、由三は辛而やツと眼を啓けた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)