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辛而
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やつと
ふりがな文庫
“
辛而
(
やつと
)” の例文
足がけツ
倦
(
たる
)
いので、づいと伸ばして、寐
返
(
がへり
)
を打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい
木綿
(
もめん
)
の
芬
(
かほり
)
が微に鼻を
撲
(
う
)
ツた。眼が
辛而
(
やつと
)
覺めかかツて來た。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そして
幾箇
(
いくつ
)
の橋を渡ツて幾度道を回ツたか知らぬが、ふいに、石か何かに
躓
(
つまづ
)
いて、よろ/\として、
危
(
あぶな
)
く
轉
(
ころ
)
びさうになるのを、
辛而
(
やつと
)
踏止
(
ふみとま
)
ツたが、それですツかり
眼
(
め
)
が覺めて了ツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ビフテキが燒いてある?………ほ、それは
結構
(
けつこう
)
だね。お前は
胃
(
い
)
の
腑
(
ふ
)
も強壯な筈だから、ウンと
堪能
(
たんのう
)
するさ。俺は殘念ながら、知ツての通り、
半熟
(
はんじゆく
)
の卵と牛乳で
辛而
(
やつと
)
露命
(
ろめい
)
を
繋
(
つな
)
いでゐる弱虫だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
車も歳月の力と人の力とに
磨
(
す
)
り
減
(
へ
)
らされて、繩が
辛而
(
やつと
)
篏
(
はま
)
ツてゐる位だ。井戸の傍に
大株
(
おほかぶ
)
の
無花果
(
いちゞく
)
がコンモリとしてゐる。馬鹿に好く葉が
繁
(
しげ
)
ツてゐるので、其の
鮮麗
(
せんれい
)
な
緑色
(
みどりいろ
)
が、
寧
(
むし
)
ろ
暗然
(
あんぜん
)
として
毒々
(
どく/\
)
しい。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
而
漢検準1級
部首:⽽
6画
“辛”で始まる語句
辛
辛辣
辛抱
辛棒
辛苦
辛夷
辛酸
辛気
辛子
辛防