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倦
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だ
ふりがな文庫
“
倦
(
だ
)” の例文
又ゆるやかにつゞくその
倦
(
だ
)
るい音は、それにつれて聞いてゐる者に次々ととりとめもない考へを追ひかけさせ、立ちどまらせ、又流れさせた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
昨日と同じいようにのんびりと
倦
(
だ
)
るそうにしているのを二度も三度も見ているわたしであるゆえに、これも又物憂そうな目付でながめ込むのであった。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
アルコール中毒患者が、アルコールの気の感じないときは半死の状態にあるように、彼女等は一種の苦痛を伴ったぼんやりした
倦
(
だ
)
るさに苦しめられた。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
何だか身体中が溶けるように
倦
(
だ
)
るくって、骨がみんな抜け落ちそうで、段々を一つ降りる
毎
(
ごと
)
に眼の前が真暗になって、頭の中が水か何ぞのようにユラユラして痛みます。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なんの興味もない、針の先ほどの刺激もない一日々々の中に、その身が浸つて居ることを思ふと、体も
精神
(
こころ
)
もげんなりしてしまつて、何も彼もすつかり
倦
(
だ
)
れきつてしまふ。
脱殻
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
彼女はまだ
倦
(
だ
)
るそうな目つきで、私を見るのだった。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
何となく身体が
倦
(
だ
)
るかつた。それにちがひはない、今日は珍しく朝早くから川につききりで、おまけに呼びもどされるとすぐ今の騒ぎだつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
あの人にも罪に与からせようとして居る。この上に明らかな間違つたことがあらうか? この頃の二人の
倦
(
だ
)
れ切つた生活も、私が心持の取直し様一つによつて救はれもする。
脱殻
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
娘はそういうとなお
吃
(
しゃく
)
り泣いて、父の肩にかけた手にちからを込めて、抱きついた。が、眠元朗は娘がそう遣ったときから、忘失してしまったようにからだ全体に重々しい
倦
(
だ
)
るい悲哀をかんじた。
みずうみ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
その奥さんは四十あまりの、色の浅黒い眼の大きい、その眼は島の人に独特な
倦
(
だ
)
る
気
(
げ
)
で、どこか野生的な感じで、正代という身よりのない娘を相手にバタをつくることから一家の仕事をやっている。
石ころ路
(新字新仮名)
/
田畑修一郎
(著)
倦
漢検準1級
部首:⼈
10画
“倦”を含む語句
倦怠
倦果
倦厭
気倦
飽倦
倦怠期
厭倦
見倦
物倦
待飽倦
倦々
倦怠感
倦怠相
早倦
魂倦
仕倦
附倦
遊倦
責倦
倦労
...