“けだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケダ
語句割合
77.3%
蹴出15.4%
気怠1.4%
気倦1.0%
1.0%
気惰0.7%
0.3%
懈惰0.3%
気懶0.3%
気立0.3%
氣高0.3%
0.3%
0.3%
蹴立0.3%
蹶立0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けだしナポレオンは墺軍の前進を知り、なるべくこれを東方に牽制してサルジニア軍との中央に突進し、各個撃破を決心したのである。
戦争史大観 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
凛々りりしい松代の姿である。裾をキリキリと取り上げている。両袖を肩で結んでいる。深紅の蹴出けだしからはぎが洩れ、脛には血汐が着いている。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そう思うと、にわかに、そのように見えて来るむなしかった一ヶ月の緊張の溶け崩れた気怠けだるさで、いつか彼は空を見上げていた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そして鈍い気倦けだるいものの中に身を包まれてしまう。が、またもやふいに予知しない原因のわからない鋭い痛みが胸をつき上げてくる。どこから、なぜ。そして次の瞬間にはわかってくる。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
あらはれたり一個の紳士、真黒羅紗まつくろらしやの間より雪とかゞやき出でたる白シヤツに赤黒の顔のうつりも怪しく、満面に汗ばみて、のどのあたり赤き擦傷すりきずけだしカラアと咽の合戦の結果)一きは目だち
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
そこの白い窓では腫れ上った首が気惰けだるそうに成熟しているのが常だった。
街の底 (新字新仮名) / 横光利一(著)
駝鳥だちょう羽扇おおぎが、けだるそうにゆらりと揺れて、香料の風を送る。どうあってもここんところは、プラス・ヴァンドウムかルウ・ドュ・ラ・ペエの空気でないと、感じがでない。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
いにしえより忠は宦成におこたり病いは小に加わり、わざわいは懈惰けだに生じ孝は妻子に衰うという、また礼記らいきにも、れてしかしてこれを愛すといえり
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
憔悴、脱力、眼に力はなく、気懶けだるげに動いている。僕もしまいには、心配になってきて、あれこれとなだめすかしては問い訊した結果、ついにある夜口を割らしてしまったのである。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼女はほう気立けだった髪をかぶって、神前に祈りをあげると、神にかれているような目をして灯の揺らぎ方を見詰めていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ろとは、大島小學校おほしませうがくかう神聖しんせいなる警語けいごで、その堂々だう/\たる冲天ちゆうてんいきほひと、そのくまで氣高けだかい精神せいしんと、これが此警語このけいご意味いみです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
けだもののさまよふごとく
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
君がおとなしいけだかい人間だってことには、僕も異存はないが、おとなしいくせに君はたいへんなことを考えてるんだね、本当にたいへんなことを君は知ってるんだね! 童貞でありながら
「さては彼の狐めが、また今日も忍入りしよ。いぬる日あれほどこらしつるに、はやわすれしと覚えたり。憎き奴め用捨はならじ、此度こたびこそは打ち取りてん」ト、雪を蹴立けだてて真一文字に
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
話しながら博士達がランチに乗ると、沖へ向かって波を蹶立けだて、進み出た。沖には、駆逐艦に護られて、C・C・D潜水艦が繋がれてあった。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)