“気怠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けだ66.7%
けだる33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
娘の憂愁が私にも移ったように、物憂く、気怠けだるい。そしていつ爆発するか知れない焦々したものがあって、心を一つに集中させない。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そう思うと、にわかに、そのように見えて来るむなしかった一ヶ月の緊張の溶け崩れた気怠けだるさで、いつか彼は空を見上げていた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
代りに自分で自分の体重を支えなくてはならない妙な気怠けだるさを感じ出しました。馴染といえばやっぱり男たちには女として無意識に縋り頼っていたところがあったものとみえます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
行くてにあたる甲州の山と相模さがみ平野の間にかけて、白い雲の峰が高いのも、にわかに夏らしく感じられて、ムッとするような草いきれの広野を、気怠けだるそうな人の足どりと馬の鈴が
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)