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『街の底』
ふりがな文庫
『
街の底
(
まちのそこ
)
』
その街角には靴屋があった。家の中は壁から床まで黒靴で詰っていた。その重い扉のような黒靴の壁の中では娘がいつも萎れていた。その横は時計屋で、時計が模様のように繁っていた。またその横の卵屋では、無数の卵の泡の中で兀げた老爺が頭に手拭を乗せて坐っ …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約7分(500文字/分)
朗読目安時間
約11分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
兀
(
は
)
工廠
(
こうしょう
)
按摩
(
あんま
)
掃溜
(
はきだめ
)
気惰
(
けだ
)
瓦斯
(
ガス
)
穢
(
けが
)
竈
(
かまど
)
筵
(
むしろ
)
萎
(
しお
)
鎧
(
よろい
)
駘蕩
(
たいとう
)
鰈
(
かれい
)
黴菌
(
ばいきん
)