“うん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウン
語句割合
39.7%
11.9%
9.9%
9.3%
4.6%
2.6%
2.0%
1.3%
1.3%
1.3%
沢山1.3%
1.3%
1.3%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
福運0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
運命0.7%
0.7%
阿呍0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぼくはうんがよかったよ。こん夜はめてもらいたいね。ひさしぶりにゆっくりねむりたいんだ。ベッドをでよごしてすまなかったね。
外見はちょっとこわらしいが、これも案外親切ものでね。お前さんさえうんといったらそれこそ二人で可愛がって、堪能させるのは受け合いだ。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うん乃公おらが音頭とるべい。音頭とるべいが、皆であとやらんといけねえぞ。音頭取りばかりにさしちゃいけねえぞ——ソラ、ジンバラハラバイタァ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
食堂に現われる時の葉子の服装だけでも、退屈にうんじ果てた人々には、物好きな期待を与えた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それとほとんど間髪を入れず、馬場屋敷の屋根棟から「うん」という気合の声がした。と、暗中に抛物線ほうぶつせんを描き、一筋の捕り縄が投げられた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
般若の哲学 これから申し上げるところは、「観自在菩薩かんじざいぼさつじん般若波羅蜜多をぎょうずる時、五うんは皆空なりと照見しょうけんして、一切の苦厄くやくしたもう」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「帰るなら帰ってもいいわ。うんだのだのってなんです。」
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
いやと云えば殺され、うんと云えば是迄通り出入でいりをさせ、其の上多分のお手当を下さるとの事、お金がほしくはございませんでしたが、全く殺されますのが辛いので
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
致されたり斯て天一坊の威光ゐくわう熾盛さかんに下に/\と呼りつゝ芝八山の旅館りよくわんを指て歸りける此時大岡越前守には八山の方を睨付にらみつけうんと計り氣絶せしかば公用人をはじめ家來等驚いて打寄氣付藥を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一首の声調にうんが少いという欠点があった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ツからきつねでなければさうにもないやつぢやが、其処そこはおらがくちぢや、うまく仲人なかうどして、二つきや三つきはお嬢様ぢやうさま御不自由ごふんじよのねえやうに、翌日あすはものにして沢山うん此処こゝかつんます。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うんくちという最後の村を過ぎてからも、ガソリン・カアはなおも千曲川にどこまでも沿ってゆくように走りつづけていたが、急に大きなカアブを描いて曲がりながら、楢林ならばやしかなんぞのなかを抜けると
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
さうかと思ふと、夏になつてみんながうちを留守にするときなんか、松を座敷へ入れたまんま雨戸あまどてて錠を卸して仕舞ふ。帰つて見ると、松がうん気でれて真赤になつてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「そんなことはあるもんか。そうそううん坊のッさんは長のやまいで、おめえの稼ぎを杖とも柱ともしてるンだってな。都頭さん、この小僧はとても親孝行なんですよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおうん坊、いいとこへ帰って来た。こちら様を知ってるか。都頭の武松さんだぞ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マーキュ うんうん引掻ひっかかれた/\。はて、これで十ぶんぢゃ。侍童こやっこめは何處どこにをる? 小奴やっこ、はよって下科醫者げくわいしゃんでい。
わしとても、體裁ていさいつくり、そなことをひはせぬ、とひたいは山々やま/\なれど、しき作法さはふは、もうおさらば! もし、わし可愛いとしうおもうてくださるか?「うん」と被言おッしゃるであらうがな。
心ゆくまで湯につかつたあとのやうに快い亢奮の余うんが彼の心のすみずみまでゆきわたつてゐた。杏平は何がその原因なのか考へもしなかつたけれど。
登つていつた少年 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
わが国で寅年に生れた男女に於菟おとという名を付ける例がしばしばある、その由来は『左伝』に楚の若敖じゃくごううんより妻を娶り闘伯比を生む
引拔て三吉が眞向より殼竹割からたけわりに切割りければ三吉はうんともいはず二ツに成て死したりけり仁左衞門は小猿に向ひ先々まづ/\是にて安心あんしんせりとて彼死骸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
官員で、朝帰りで、洋服で、釣ってりゃ馬鹿だ、と天窓あたまから呑んでかかって、中でもふならしい奴の黄金鎖きんぐさりへ手を懸ける、としまった! この腕をうんと握られたんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金田 うんこそなんか、そぎやんふとあしば、やあち……。おい、とみ公、コンニヤクを一杯……。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
おち椿ふみては人のこひしくて春日七日をうんじぬる里
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
小屋に辿りついて裏口から入って行くと、息苦しいほどのうん気のたちこめた薄暗いランプの下で、狭山はこちらに背を見せてぼう然と坐っていた。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
サン (グレゴリーを顧みて)うんうても、理分りぶんか?
だが父樣はどうして靜夫樣と御知りなすつたのだろふ、かねしつて居て、知ている所か私柄と、いやまて思は思をうんで心經の高ぶつて居今、まづ何事も胸にと
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
彼女あれも私と一緒に、自分の福運うんを只夢を見ていたのだ。私は遂々とうとう其の夢を本当にしてやることが出来なかった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
幼名を頼助、後に恒太郎、いみな明義めいぎ、またうんと称して、四十六歳以後は、その芸の字劃を二つにわけて草雲そううんと号した。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの僧尼達は、自分が手を動かさずして世を渡り、そのうえ戒律かいりつを守らないで、婬を貪り、うんくらい、酒を飲んだので、牛馬にして人に報いをさすところだ」
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
……菜大根、茄子なすびなどは料理に醤油したじついえ、だという倹約で、ねぶかにら大蒜にんにく辣薤らっきょうと申す五うんたぐいを、空地あきち中に、植え込んで、塩で弁ずるのでございまして。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「しかたがないわ。みな運命うんだわ。」
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
次には若い勇士のお前を、良うん令にしてつかわそう。10910
男は何か言はうとして、僅に手先を動かしたが『阿呍うん』と一唸呻うめき、言下に反繰そつくり返つて仰樣のけざまたふれた。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)