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吽
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うん
ふりがな文庫
“
吽
(
うん
)” の例文
独語
(
ひとりご
)
つやうに言ひて、満枝は
弥
(
いよいよ
)
寄添ひつ。貫一は
怺
(
こら
)
へかねて力任せに
吽
(
うん
)
と曳けば、手は離れずして、女の体のみ倒れかかりぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それとほとんど間髪を入れず、馬場屋敷の屋根棟から「
吽
(
うん
)
」という気合の声がした。と、暗中に
抛物線
(
ほうぶつせん
)
を描き、一筋の捕り縄が投げられた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
押借りも
為
(
し
)
ようといふ
質
(
たち
)
で、丁度幕末の
悪侍
(
わるざむらひ
)
といふのだが、度胸だけは
吽
(
うん
)
と
堪
(
こた
)
へたところのある始末にいかぬ奴だつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
大きな声で「
吽
(
うん
)
」と叫んだら、その声は数里の外まで響いたという奇蹟を伝記者は附け加えているが、そんなことぐらい、生きる上の幸福をも、死後の安穏をも共々
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と、忽ち剣の面、
煌々
(
こうこう
)
明々陽に輝き、四方一面天地をこめて虹の如き光り
迸
(
ほとば
)
しると見るや「
吽
(
うん
)
!」とばかりに悶絶して五右衛門は地上に
伏
(
ふ
)
し
仆
(
たお
)
れた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
之
(
これ
)
が
為
(
ため
)
に無けなしの
懐裏
(
ふところ
)
を百七十円ほど
傷
(
いた
)
めて、
吽
(
うん
)
と参つた、
仮
(
かり
)
に
小文学
(
せうぶんがく
)
をも
硯友社
(
けんいうしや
)
の
機関
(
きくわん
)
に
数
(
かぞ
)
へると、
其
(
それ
)
が第七期、
是
(
これ
)
が第八期で、
未
(
ま
)
だ第九期なる者が有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
吽
(
うん
)
と忍耐したのかも知れない。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
吽
(
うん
)
!
吽
(
うん
)
!」
花は勁し
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「そもそも伊賀流の秘訣というは
阿吽
(
あうん
)
の呼吸これ一つじゃ」老人は静かに説き出した。「
吽
(
うん
)
と閉じれば姿が消え、
阿
(
あ
)
と口を開けば姿が見える。吽の間の長い者こそ流儀の極意の
体得
(
たいとく
)
者じゃ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
吽
(
うん
)
!
吽
(
うん
)
!」
花は勁し
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
吽
漢検1級
部首:⼝
7画
“吽”を含む語句
阿吽
吽〻
唵嘛呢叭𠺗吽
唵摩尼吠噛吽