うん)” の例文
うん。』と言ひ乍ら、手を延ばして、静子の机の上から名に高き女詩人の「舞姫」を取る、本の小口からは、橄欖色オリーブいろしをりの房が垂れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん乃公おらが音頭とるべい。音頭とるべいが、皆であとやらんといけねえぞ。音頭取りばかりにさしちゃいけねえぞ——ソラ、ジンバラハラバイタァ」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と一声、青竜二郎は、うん音を高く響かせたが、その声の未だ終わらぬ中に、ヒーッと女の叫び声がした。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の間おうちへお寄り申そうと思いまして参ると、番頭さんが何とか云いましたっけ、治平じへいさんかえ、武骨真面目なお方で、うんとお店に坐っている様子てえものは、実に山が押出おしだしたような姿で
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うんと足を踏みしめると、天秤棒が遠慮会釈ゑんりよゑしやくもなく肩を圧しつけ、五尺何寸其まゝ大地に釘づけの姿だ。思ひ切つて蹌踉よろ/\とよろけ出す。十五六歩よろけると、息が詰まる様で、たまりかねて荷を下ろす。
水汲み (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
うん、眞面目になつて怒鳴る元氣も出ないやね。だから思ふ存分茶化してやるんだ。殊に君、女教員と來ちや全然箸にも棒にもかゝツたもんぢやない。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん」と久さんは答えて、のそり/\檐下のきしたから引き出して、二握三握一つにして、トンと地につきそろえて、無雑作むぞうさに小麦からでしばって、炬火をこさえた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うん」と封じて精神集中、長く間を保って精神統一、——この心境持続の間は、壁をずることも天井を渡ることも、いながら肉身空に向かって、数丈の高さに浮かぶことも
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うん、真面目になツて怒鳴る元気も出ないやね。だから思ふ存分茶化してやるんだ。殊に君、女教員と来ちや全然まるで箸にも棒にもかかツたもんぢやない。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
人が話をすれば、「うんうん、ふん、ふん」とはならして聞いた。彼女の義兄も村に人望ある方ではなかったが、彼女も村では正札附の莫連者ばくれんもので、堅い婦人達は相手にしなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
うんの呼吸極まり
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うん、さうだ、僕も思出す。發起人が君で、實行委員が僕。夜になつてからにしようとみんなが云ふのを構ふもんかといふ譯で、眞先に垣を破つたのが僕だ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん、さうだ、僕も思出す。発起人が君で、実行委員が僕。夜になツてからにしようとみんなが云ふのを構ふもんかといふ訳で、真先に垣を破ツたのが僕だ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うんし/\、此老爺おぢいさんが引受けたら間違ツこはねえが、何だな、お定さんも謀叛の一味に加はつたな?』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ハッハハ。醉へエばアア寢たくなアるウ、(と唄ひさして、)寢れば、それから何だつけ? うん、何だつけ? ハッハハ。あしきを攘うて救けたまへだ。ハッハハ。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ハテ何だつたらう? うん「約束を忘れるな。」か! 「約束」は適切だ。女といふものは一體、男に憎まれる事が嫌ひなものだ。況んや自分の嫌つても居ない男にをやだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ハツハハ。酔へエばアア寝たくなアるウ、(と唄ひさして、)寝れば、それから何だつけ? うん、何だつけ? ハツハハ。あしきをはらうて救けたまへだ。ハツハハ。』と、またグラリとする。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ハテ何だつたらう? うん「約束を忘れるな。」か! 「約束」は適切だ。女といふものは一体、男に憎まれる事を嫌ひなものだ。況んや自分の嫌つても居ない男にをやだ。殊に俺は新聞記者だ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん、それや知己だね。……知己には知己だが、唯一人の知己だね。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん、それや知己だね。……知己には知己だが、唯一人の知己だね。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん、その、れでも可い。柏でも可い。』
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん、その、れでも可い。柏でも可い。』
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
うん。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)