“遂々”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
とうとう65.4%
とう/\24.4%
たうたう6.4%
つい/\2.6%
たうとう1.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お雪を初めその母親おやや兄すらも、最初こそ二足も三足も譲っていたものだが、それすら後には向からあの通り遂々とうとう愛想を尽かして了った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
どうぞまあ噂だけであって欲しいと希っていたほどでしたから、お祝いにもまいりませんでしたし、遂々とうとう披露会にも出席いたしませんでした。
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
それがだんだん進歩して現今の高等学校になったのであるが、僕は其時腹膜炎をやって遂々とうとう二級の学年試験を受けることが出来なかった。
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
遂々とうとう猪が飛出しました。猪はまったいさましいけだものでした。猪はほんとうにやっていって火をつけてしまいました。
赤い蝋燭 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
遂々とうとうお怪我までなすって、書記生さんの白石さんが馳けつけて来なかったら、どんな事になったか分りませんでしたそうでございます。
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
遂々とう/\遠野は投げるやうにさう云つて、傍に黙つて聞いてゐる彼女の方へ笑ひかけた。然し彼女の視線は凍りついたやうに一つ処を動かなかつた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
それから東京へ歸つて來て、或政治雜誌の記者になり、實業家の手代になり、遂々とう/\新聞界に入つて、私の社へ來る迄に二つ、三つの新聞を歩いた。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
遂々とう/\乗らないで、二人はそんなことを話しながら田畝道を歩いて行つた。ガウンを着せられたドリアンが、木馬のやうな姿で二人の間を歩いてゐた。
娘とドリアン (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
遂々とう/\かわりにかわつて、あしができ、しつぽがれて、ちひさいけれど立派りつぱかへるになりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ともかくあの鸚鵡は、それから一年あまり、F一家が帰国する迄私の目ざわりだつたが、遂々とう/\人間の言葉を唯の一言も覚えなかつた。
鸚鵡の思ひ出 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
既にその劇しい戦ひの中へ割込み、底から底と潜り抜けて、遂々たうたう敗けて帰つて来た私の今の心に較べると、実際その時の私は、単純であつた——
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『竹山さん。』と、遂々たうたうこらへきれなくなつて渠は云つた。悲し気な眼で対手を見ながら、顫ひを帯びて怖々おづおづした声で。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
無論此小説は、渠の胸の中で書かれて、胸の中で出版されて、胸の中で非常な好評を博して、遂々たうたう胸の中で忘られたのだ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
考へて考へて、去年東京から来た時の経験もあるし、尤も余り結構な経験でもありませんが、仕方が無いから思ひ切つて、乞食をして国まで帰る事に遂々たうたう決心したんです。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
遂々たうたう追出してやつた、ハハヽヽ。』と笑ひ乍ら坐つたが、張合の抜けた様な笑声であつた。そして、
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
市「これは殿さま、其ののちは誠に御無沙汰を致しやした、ちょいと上らねえばなんねえが、遂々つい/\御無沙汰になりまして相済みません」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「はい、東京のお方と見ますと誠にお懐かしくって、つい何うもお座敷へ参りましても、東京のお方だと、種々御様子を承わりとうございますから、遂々つい/\長く居ります」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お礼にも都度つど/\あがう存じますが何分貧乏暇なしで遂々つい/\御無沙汰勝に相成って済みません
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いやもうたった一人の娘をなくしてまるきり暗夜やみになったようで、お前さんを見ると思い出します、しかしまア私の娘の方は事が分って、うやって二七日ふたなぬかも済ましたが、遂々つい/\娘の事ばかり思って居て
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
みのるは遂々たうとうこの録子に負けてしまつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)