“とうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トウトウ
語句割合
滔々49.5%
到頭20.1%
遂々14.9%
鼕々3.3%
蕩々3.0%
鞺鞳2.0%
東塔1.3%
滔滔1.0%
陶榻0.7%
鞺々0.7%
(他:11)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて滔々とうとうと読みはじめた。大好きな「川中島合戦」の一節だった。元よりうろおぼえの口から出任せではあったけれど。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
彼等が今から如何に猛烈な馬力をかけても、この滔々とうとうとしてみなぎり渡る新しい東京人の勢力には到底かなうまい。
余は慰問状を出した。其れが紀州に届いたと思う頃、令弟から安達君は到頭とうとう先度の傷の為に亡くなった、と知らして来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
讃之助は到頭とうとう立ち上ってしまいました。あやかしを払い退けるように、双腕を振って女を戸口の方へ追いやろうとします。
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ゆきもどりつして躊躇ためらっていらっしゃるうちに遂々とうとう奥方にと御所望ごしょもうなさったんだそうです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
日本東京を出発してから十六日目、いよいよ月に近いた時に、不意に飛行器に狂いが生じて遂々とうとうこんな珍事が出来したのだ。
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
激越げきえつなるかいかねのひびき、また、押太鼓の音が、鼕々とうとうなみとなって、先鑓さきやりを励ました。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くさくさの式も首尾好く終って鼕々とうとうと打鳴らす太鼓の音を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
いて道衍の為に解さば、ただれ道衍が天にくるの気と、自らたのむの材と、莾々もうもう蕩々とうとう
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
君子くんしたいらかにして蕩々とうとうたり、小人しょうじんとこしなえ戚々せきせきたり」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
鞍馬くらま道士どうし果心居士、竹童をひっかかえて岩頭がんとうにたち、鞺鞳とうとうたる雷神らいじんの滝を眼下がんかにみた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諏訪頼重の居城と見えて、今鞺鞳とうとうと鳴らす太鼓に、湖上に浮いていた水鳥がハラハラパッと飛び立った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「きのうも、おとといも、その前も、毎日のように、おいら方々聞いて歩いていたんだよ。——するとね、きょう聞いたのさ。武蔵様は、東塔とうとうの無動寺に泊っているって」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
根本中堂こんぽんちゅうどうをはじめ山王七社も東塔とうとう西塔の伽藍がらんも三千の坊舎ぼうしゃも、法衣に武装したものどものすみか以外の何ものでもない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曰く、滔滔とうとうたる者、天下皆是なり。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
印度人は語学の天才で、雄弁・高論をやる、その上印度思想の幽遠なところを滔滔とうとうとしゃべり立てたので、基教の外、世界に何の宗教もないと思って居たものにとっては、千年の夢一時に醒めたと云う塩梅であったに違いない。
釈宗演師を語る (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
越前守は支那出来の陶榻とうとうに腰をおろして、心長閑のどか四方あたりを見廻しました。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
入口を蹴りつける音がし、はげしく扉をおしあけると、ふらりと鶴がはいってきた。靴のままでずかずかと板土間へあがりこむと、陶榻とうとうの上へ腰をかけた。これも酔っているらしく、蒼ざめて眼をすえていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
鞺々とうとうと流れる渓流にすねを洗われながら、一人の若者が鉤鈎かぎばりをつけた三尺ばかりの棒を巧みにあやつってぴらりぴらりとひらめく山女やまめを引ッかけては、見る見る間に魚籠びくみたしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
滝の姿は見えねど、滝壺たきつぼすその流れの一筋として白絹の帯上げの結び目は、水沫みなわの如く奔騰して、そのみなかみの鞺々とうとうの音を忍ばせ、そこに大小三つほどの水玉模様がねて、物憎さを感ぜしむるほど気の利いた図案である。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
丁々とうとう白檀びやくだんをのおと
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「全く物騒ですよ、わたしところでは昨夜ゆうべ当到とうとう一俵盗すまれました」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お女中が来て今日はお美味いし海苔巻のりまきだから早やく来て食べろと言ったが当頭とうとう俺は往かないで仕事を仕続けてやったのだ。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかして商業の太陽は車輪のごとく曈々とうとうとして中天をきしり上り、ついに欧州の面目を一変するに至れり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
画閣がかく東頭とうとう涼を
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
第四番目に取り調べられたのは禿頭とうとうの老人であった。これは商売人の隠居で、腰も低く、交番の巡査が相識の間であったから、一通りの訊問以外には何も訊かれなかった。
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
敵は鼻をくんくんならして、この瓦斯を余計よけいに吸い込むだろう。ああなんというすばらしい着想点だろう! 鰻のかば焼のほかに焼き鳥の匂い、天ぷらの匂い、それからライスカレーの匂い等々とうとう、およそ敵兵のすきなかおりを、この毒瓦斯につけてやろう。
まるで見世物の口上こうじょういいのように、石太郎はよくをひること、どんな屁でも注文どおりできること、それらには、それぞれ名まえがついていること等等とうとう
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
「知己を失って、悪逆を重ねて、それが、兵道の統棟とうとうかっ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
花木は少いし、土は荒れているし、「陶塘とうとう」の水も濁っているし、家の中はがらんとしているし、殆御茶屋と云う物とは、最も縁の遠い光景である。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)