“とうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トウトウ
語句割合
滔々48.2%
到頭20.6%
遂々15.8%
鼕々3.3%
蕩々2.7%
鞺鞳1.8%
東塔1.2%
滔滔0.9%
到々0.6%
丁々0.6%
陶榻0.6%
鞺々0.6%
偸盗0.3%
当到0.3%
当頭0.3%
曈々0.3%
東頭0.3%
禿頭0.3%
等々0.3%
等等0.3%
統棟0.3%
陶塘0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はことさらに叔父の前に滔々とうとうと維新の大業を論じ、上は村田清風から下は山県有朋やまがたありともに至る長州の人材を讃嘆さんたんした。
と、彼は滔々とうとう万言、聴衆に大なる慰安を与えようとした、けれどもこの提案は、何人も歓迎しなかった、即ち彼らの多くは、皆口々にいって曰く。
太陽系統の滅亡 (新字新仮名) / 木村小舟(著)
其内そのうちるともなく父鬼村博士の陰謀に気付き、夜に昼をいでなげきかなしんだため、到頭とうとうひどく身体を壊してしまった。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
およそ一、二年辛抱して金を二十両ばかりこしらえて、大阪に出て来て到頭とうとうその二十両の金で緒方の塾で学問をして金沢にかえった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
遂々とうとう猪が飛出しました。猪はまったいさましいけだものでした。猪はほんとうにやっていって火をつけてしまいました。
赤い蝋燭 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
それがだんだん進歩して現今の高等学校になったのであるが、僕は其時腹膜炎をやって遂々とうとう二級の学年試験を受けることが出来なかった。
落第 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あとから、鼕々とうとうと軍鼓の音が揚った。——同時に城内くまなくひびけとばかりに、叫んだ声が流れ伝わった。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
くさくさの式も首尾好く終って鼕々とうとうと打鳴らす太鼓の音を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
以上三点の区別より推測するに、死後の霊魂なるものは、実に空々くうくう漠々ばくばく渺々びょうびょう蕩々とうとう、苦もなくまた楽もなく、知もなくまた意もなきありさまならざるべからず。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
君子くんしたいらかにして蕩々とうとうたり、小人しょうじんとこしなえ戚々せきせきたり」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
近藤事務長は土地の有志と計りて、事務長以下十数人、遺骸むくろを奉じて埠頭ふとうを去る三マイルなるパセパンシャンの丘巓きゅうてんに仮の野辺送りをし、日本の在留僧釈梅仙を請じてねんごろに読経供養し、月白く露深き丘の上にはるかに印度洋の鞺鞳とうとうたる波濤を聞きつつまきを組上げて荼毘だびに附した。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
五、六丈の高さであろう、鞺鞳とうとうの響は近いだけに黒部本流の瀬の音も紛れない。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
かつての侍僧忠円の密書を手にされた大塔ノ宮から、本院の座主へお使いがあると、ほどなく、弟宮の座主は、みずからその兄宮のいる東塔とうとう南谷の円融坊えんゆうぼうとよぶ坊舎の内を、そっと訪ねていたのだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
根本中堂こんぽんちゅうどうをはじめ山王七社も東塔とうとう西塔の伽藍がらんも三千の坊舎ぼうしゃも、法衣に武装したものどものすみか以外の何ものでもない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか、ありがとう。もう僕も、今夜かぎりで君とえないかも知れませんが、けれども一身の危険よりも僕にはプロパガンダのほうが重大事です。逮捕される一瞬前まで、僕はプロパガンダを怠る事が出来ない。」やはり低い声で、けれども一語の遅滞ちたいもなく、滔滔とうとうと述べはじめる。
花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
到々とうとう我慢しきれぬように、裏口でまだ洗濯の終らない女房へむかってドナリ出すのだった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
女房は到々とうとう三番めの子を腰掛にほうり出し、真ッ青な紙のような顔をして窓口にしがみついていた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
時にはどこか丁々とうとうの音もこだまする。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
入口を蹴りつける音がし、はげしく扉をおしあけると、ふらりと鶴がはいってきた。靴のままでずかずかと板土間へあがりこむと、陶榻とうとうの上へ腰をかけた。これも酔っているらしく、蒼ざめて眼をすえていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
滝の姿は見えねど、滝壺たきつぼすその流れの一筋として白絹の帯上げの結び目は、水沫みなわの如く奔騰して、そのみなかみの鞺々とうとうの音を忍ばせ、そこに大小三つほどの水玉模様がねて、物憎さを感ぜしむるほど気の利いた図案である。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
七に曰く、偸盗とうとうするなかれ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
「全く物騒ですよ、わたしところでは昨夜ゆうべ当到とうとう一俵盗すまれました」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お女中が来て今日はお美味いし海苔巻のりまきだから早やく来て食べろと言ったが当頭とうとう俺は往かないで仕事を仕続けてやったのだ。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかして商業の太陽は車輪のごとく曈々とうとうとして中天をきしり上り、ついに欧州の面目を一変するに至れり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
画閣がかく東頭とうとう涼を
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
第四番目に取り調べられたのは禿頭とうとうの老人であった。これは商売人の隠居で、腰も低く、交番の巡査が相識の間であったから、一通りの訊問以外には何も訊かれなかった。
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
敵は鼻をくんくんならして、この瓦斯を余計よけいに吸い込むだろう。ああなんというすばらしい着想点だろう! 鰻のかば焼のほかに焼き鳥の匂い、天ぷらの匂い、それからライスカレーの匂い等々とうとう、およそ敵兵のすきなかおりを、この毒瓦斯につけてやろう。
まるで見世物の口上こうじょういいのように、石太郎はよくをひること、どんな屁でも注文どおりできること、それらには、それぞれ名まえがついていること等等とうとう
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
「知己を失って、悪逆を重ねて、それが、兵道の統棟とうとうかっ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
花木は少いし、土は荒れているし、「陶塘とうとう」の水も濁っているし、家の中はがらんとしているし、殆御茶屋と云う物とは、最も縁の遠い光景である。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)